2010/02/28

カナダ人にとってアイスホッケーというスポーツの意味

今日はとうとう五輪閉会式。しかし、その前に!というか閉会式なんてこの際どうでも
いいくらい超重要なイベントが待っていました。
カナダ人が今五輪で間違いなく一番楽しみにしていたアイスホッケーの決勝。
しかも対戦相手は最大のライバル、US。

カナダ人にとってのアイスホッケーはいわばアメリカ人に
とってのアメフト。熱狂的なファンが多くいる国民的競技です。
決勝のチケットの最高額はなんと1700万円(!!)

しかも対戦相手のアメリカは、カナダ人にとって色んな意味で憎らしいライバル。
ホッケーも例外ではありません。金にものを言わせて大事なカナダ人選手をどんどん
NHLに引き抜きやがって、という感情があります。おまけに先週の対戦では惜敗している
ので尚更この試合には熱が入ります。
昨日からカナダ人はそわそわしてました(笑)

明日から学校が再開ですが、そんな国民的お祭りに参加しない訳にはいきません。
ってなわけで寮の友人4人と共に、試合開始の12時に間に合うように10時には
ダウンタウン入りし、観戦用のバーに到着。しかし既に長蛇の列・・・



1時間半くらいかけてようやくバーに入り、早速観戦。昼だってのに既にみなさん
かなり出来上がっています(笑)



試合は第1ピリオッドにカナダが早速先制弾!続いて2点目も決め、幸先の良い
スタートです。続く第2ピリオッドはアメリカが1点返し、尚もアメリカペース。
迎えた最終ピリオッドは両者一歩も譲らぬ展開で、カナダが守りに入った最後の数分間。
アメリカ側はゴールキーパー抜きの全員攻撃体制に入り猛攻をしかける。
そしてなんとあと24秒で試合終了、というところでアメリカは劇的な同点弾。
バーにいた全員ががっくりと肩を落とし、強烈なブーイングの嵐。

試合は4人対4人(通常は5対5)20分間のサドンデス方式に突入。そして延長7分過ぎ、
カナダの英雄クロスビーがサヨナラ弾を決め試合終了!カナダ金メダル!



ゴールが決まった瞬間バーの中は割れんばかりの歓声。バーテンダー自らカウンター
の上に仁王立ちし、客に向かってビールをぶちまけ始める(笑)
客も客で、酔っ払ったまんま肩車やらするもんだから至る所でグラスが
割れ、ビールがこぼれまくり、カオス・・・



一行は街の中心街がどうなってるか見に行くためにバーを出る。
もの凄い爆音の中にいたせいでしばらく耳鳴りがした。
しかし外も大して変わらない。車の運転手は全員クラクションを全力で鳴らし、
道行く人も叫びまくり。知らない人と全員ハイタッチ。みんなトモダチ。

車ともハイタッチ

こちらでもハイタッチ

みんなとハイタッチ!

ハイタッチしすぎて手が痛い・・・

だんだん手が赤くなってきた。。

中心街に近付くとどんどんと人の量が増えていく。

酔っ払いが色んな物に登り始める。

バス停の屋根の上、建物の屋根の上

ここで友人とはぐれる。はい、探すのは諦めましょー。
電話で話すも叫び声と笛の音で何も聞こえない。メールで確認するも、その場所
までたどり着く(数10m)ためにはこの人混みをどうにかかき分けないといけない。
直進しようにも流れに流され、全く意図しないところへ行ってしまう。
20分くらいしてようやく合流。





普段は静かなバンクーバーも、今日ばかりは渋谷センター街もびっくりの人口密度。
本気で常時山手線ラッシュアワー状態。

信号の上・・・



しばしお祭り騒ぎを見物するも、朝から立ちっぱなしでしかも飲んでるので
だんだん全員フラフラしてきたので帰ることに。

ダウンタウンのあまりのバカ騒ぎに、バスも運休してしまってるので途中まで
歩かなければいけない羽目に。しかし、橋の上から見返したバンクーバーは美しく、
夕暮れの光に照らされたイングリッシュベイはとても平和で綺麗だった。
さっきまでの喧噪が嘘のよう。





結局カナダは男子アイスホッケーでも金を獲得。金メダルの数が14個に達し、これは
1つの国が獲得した金メダルの数としては冬季五輪史上最多で、もちろん今回の出場国中
でもトップ。銀銅も合わせた合計は26個で、アメリカ、ドイツに次ぐ3位、という
これ以上ない形で五輪が幕を閉じた。カナダ人はハッピー、ハーパー首相はもっと
ハッピー、カナダ五輪委員会はほっと安心、というところでしょう。

富裕層の娯楽のために巨額の公費を注ぎこみ、他に優先すべき都市問題
(主にダウンタウン東の貧困地区の問題)をないがしろにしている、という批判も
あり、今回の五輪開催に関してバンクーバー市民の間では意見が割れる面も
あったようです。しかし終わってみれば、普段はいささか活気に欠けるバンクーバーが
まさに眠らない街と化し、友人の間では「街がウルサすぎて夜眠れない。やっと
街らしい街になってきたじゃないか!」という嬉しい悲鳴が多く聞かれました。

僕も半分ほどスキー旅行でバンクーバーから逃げましたが、大いに地元開催を
楽しみました。ただ、これを更に規模の大きい夏季五輪で、今の東京でやったら
ただでさえキャパオーバーの電車等インフラがどんなことになるのか、と思うと
想像がつきません・・・

さて、明日から現実に戻り学校が再開です。明日は授業がないので溜まっている
宿題などを片付け、頭を勉強モードに切り換えなければいけません。

2010/02/26

フィギュア

日本でもフィギュアスケートの話題で持ち切りのようですが、
こちらでは貫録の滑りでぶっちぎりで優勝したキム・ヨナと、母親を急に亡く
しながら銅メダルを獲得したカナダのジョアニー・ロシェットの話がほとんどで、
残念ながら我が真央ちゃんの影は少し薄いです。

まあ至極当然のことですが、外国でオリンピックを見てるとその国の
選手を中心に放送するので、日本人選手がどうだったか、というのは
日本のYahoo! Newsなんかで確認するのが一番手っとり早い。

しかしフィギュアは男女ともトップ10に3人ずつくらい日本人が入って
いたのでこちらでも結構注目されてます。
意外というか驚きだったのが米国代表で出てた16歳の長洲未来って子、全く
ノーマークというか知りませんでした。この子含めると女子はなんとトップ8の
半分が日本人。優勝こそ逃したけどスキージャンプみたいに団体戦やったら粒揃いの
日本は優勝できるんじゃないかと思いました(笑)

なんだかんだこちらにいると日本にいる時よりも日本人選手を応援しちゃいますね。


余談ですが、ロシェットの地元ケベックの応援団のライブ映像がテレビで時々流れる
のを見てると、びっくりするくらいカナダの国旗やロゴ入りの服を着てる人が
少なかった。さすがケベック(笑)

ちなみに、Molsonというビール会社が作った"I am Canadian"って有名なCMがこちら。


そしてケベックが作った"I am NOT Canadian"(笑)というパロディー版がこちら。

Revelstokeに一緒に行ったケベック出身S君がコレ見て大爆笑してました。

I believe in distinct society - as long as someone else pays for it!
オレは独立国家を信じてる!(但し誰かが払ってくれればの話!)

Maybe I can't turn right on a red light, but I can go right through it!!
(赤信号で右折できないけど、そのまま直進できるわ!)
(注:ケベック州では赤信号で右折ができない)

And the legal drinking age is just a suggestion!!
(飲酒年齢は単なる参考でしかない!)

っていう行が最高です(笑)

カナディアンコンテクストが分からないとあまり笑えないかもしれませんが・・・

ケベックとの複雑な関係はまた後々書きたいと思います。

2010/02/25

Revelstokeスキー

過去ログにも書いた通り、五輪休暇後半はバンクーバーから車で7時間ほど内陸の、ロッキー山脈直前に
位置するRevelstokeへのスキー旅行へ行って来た(今日帰宅)。
メンバーは同じ学部のS君(ケベック出身27歳、ボーダー)とSさん(フランス人とカナダ人の
ハーフ30歳、ボード&スキー二刀流)。もともと6人で行くはずが、バタバタとキャンセル
が出て、残ったのは3人の猛者。

同行した2人とも優秀、謙虚で超良い人達。カナダ人ってやっぱり親切だし、他の国のことも
よく知っている(特にアメリカ人と比べて)ので付き合いやすい人が多いなあ、と、この旅を
通じて実感。旅の5分の1くらいフランス語だったので(笑)ちょっとフランス語も覚えられた。
ちなみにS君はフランス語、英語はもちろんのこと、ドイツ語、スペイン語、中国語も流暢。
おまけにポーランド語も少し話す。あの言語の才能は羨ましすぎる。。

低予算の旅なので5日間を通して外食は1回。あとはホテルの小さいキッチンを駆使して
料理したり、昼ごはんも丸ごとニンジン入りサンドイッチ(笑)とかめちゃくちゃなもんを
食べました。

行きの途中で買ったサンドイッチ。

超でかい(笑)

初日の夜は餃子作り!2人共包むの超ヘタクソ(笑)


さて肝心のスキー。Revelstokeは少し特殊な場所で、つい最近リゾート化に
乗りだすまではヘリスキーかキャットスキーしかなかった。そういう経緯もあって
あまり一般的な知名度は高くなく、設備も新品ではあるけどまだあまり整っていない。
しかしその分知る人ぞ知る山で、滑った3日間とも平日なこともあってがら空きだった。

景色ヤバイ!







山頂へのハイク

もうちょっとでピーク!





山頂!














まず、とにもかくにもここの景色には圧倒された。ウィスラーも相当景色が良いけど、
ここは向かい側の山との間に川(ポートランドを流れるコロンビア川の上流!)を挟むので
谷との標高差が凄い。
それもそのはず、実は北米一の標高差を誇り、上から下までの標高差は約1800m。
初心者コースがなんと1本しかなく(笑)、おまけにその1本が長さ15kmというとんでもない
ロングコース。とにかく急斜面だらけで、斜度30度以上の斜面が5kmくらい続くコースもある。今まで滑った中で間違いなく一番急斜面が多くてコースの長いスキー場です。

というわけで上から下まで滑っただけで汗びっしょり、太股パンパン。
最初の2日間は少し硬めのバーンだったのでむちゃくちゃ足が疲れた。
最終日は夜中に少し積雪があったおかげでここの名物であるパウダーを味わえた。
今シーズンは少雪に悩まされてるそうで、だいぶ下の方は土も出ていたけど、上まで
行けば全く問題なし。

リフトが2本とゴンドラが1本しかないのにかなりの広範囲をカバーしてるので、
とてもうまくデザインされたスキー場です。斜度も絶妙なバラエティがあり、
ポコジャンなど地形で遊べるポイントもたくさんあり、ツリーランも至る所にある。
めちゃくちゃ楽しい山でした。特に最終日のパウダー1本目を滑り終わったリフト下
では3人ともかなりにやけてました(笑)

来シーズンも絶対行ってやる!今度はフカフカのパウダー希望。

追記:Sさんが撮ってくれた写真を送ってくれました

2010/02/20

Iona Beach Regional Park

今日は朝からバスと電車を乗り継いで自転車でIona Beachという所まで
行って来た。(バスも電車も自転車を乗っけれる)ここんとこ連続で鳥見に行ってます。

うちから直線距離で見ると目の前のような場所なのに、間に海があるせいで
めちゃくちゃ遠回りをしなきゃいけない、という面倒な場所です。車があれば
すぐなのに・・・



ここはバンクーバーの廃水処理場があり、処理した水を海に放出するために
とてつもなく長いパイプが二本、海に突きでている(地図参照)
この二本のうち、南側(すなわち地図で見ると下のほう)は下の写真のように
ひたすらまっすぐ歩道が作られていて、片道4km、往復すると8kmもある。。
でも歩きました。往復しました。そして疲れました。自転車で行くべきだった!

しかし、この道(英語ではJetty[=突堤、桟橋(pier)]と言うらしい)沿いは
結構侮れないらしく、ツメナガホオジロ、ユキホオジロ、ハマヒバリ、シロフクロウ
なんかが出たことがあるらしい。環境的にはコンクリートと荒れ地で、北海道の風蓮湖走古丹
や野付半島のような感じ。

今日は大したものは見れませんでしたがとにかく天気だけはやたら良くてポカポカ
なので気持ちは良かった。





先っぽはあまりに遠くて見えません。

ズームで見るとバンクーバー島の山々が見える。

さて、鳥はというと・・・
朝早速空港横でこの猛禽。しかし名前分からず。調べ中。
(追記:どうやら地元の人の間でも話題になってる謎タカで、有力なのは
アラスカとカナダで繁殖する通称Harlan's Hawkと言われるアカオノスリの暗色タイプらしい。)

ハゴロモガラス♀

ハゴロモガラス♂。変な鳴き声。

ウミアイサ

いました!キタホオジロガモ夫妻。メスの嘴が全部オレンジ。
オスの頬の白もホオジロと形が違うし、頭の光沢も緑ではなく紺色。

ハクトウワシ幼鳥。逆光。

先っぽまで行ったらハマシギとミユビシギがいました。


ここは渡りの時期が一番アツイらしいのでまた来ましょう。
ヒメハマシギ(Western Sandpiper)の大群やボナパルトカモメの群れが通過するらしい。

話は全く変わりますが、帰りのバスと電車はどちらも凄い人だった。
最近はオリンピックの影響で街中の交通機関がパンク状態。ダウンタウンも普段からは
想像できない人出で、毎晩行われるフリーコンサートや花火で盛り上がっています。
明日は夕方からアメリカ対カナダのアイスホッケーの試合が行われるので、
盛りあがりは最高潮に達するでしょう。


僕はと言えば、明日から待ちに待ったRevelstokeスキー旅行5日間!
最初は6人行く予定だったのにどんどん減って3人になってしまいました(笑)
同じ学部の上級生2人と行って来ます。毎晩料理担当を決めて晩ご飯を作ります。
カナダ人に餃子を振る舞ってきます。