ラベル UBC留学: 講義/Academics の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル UBC留学: 講義/Academics の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2011/04/14

大震災関連の研究

昨年から1年間サバティカル(1年間自分の学校を離れる長期研究休暇制度)で
主に日本含むアジアで研究をしていた防災計画(Disaster Planning)の教授が戻ってきた。

たまたま東日本大震災が起こった3月11日は京都大学防災研究所に滞在していた
そうで、皮肉にも防災関連の研究者としてはまたとない時期に日本にいたことになる。
過去にも阪神大震災の震災後の復興に関しての研究をされているのでもともと日本は主要研究対象国
の1つだったが、まさか滞在中にこんなことが起こるとは思ってもみなかったそうだ(当たり前か)。

そして今日、防災関係に興味を持つ学生を集めて彼女の報告会兼今後の研究を
手伝ってくれる学生を募るミーティングが開かれた。僕は特段防災関連の研究には
関っていないが、日本人の意見も聞きたい、ということで呼ばれた。

当然今回は本人も震災経験の当事者(同じ国内に居合わせた、というレベルで)という
こともあって、今後この震災を中長期的に研究対象としていきたいそうだ。
特に今回は先進国でしかも地震経験豊富な日本でさえあのような甚大な被害が
出てしまったことに少なからず各国はショックを受けているので海外からの注目度が
非常に高い。地震多発地域に指定されているここBC州でも急に耐震構造の話や
津波・地震が起こった際の避難経路の話が巷で聞かれるようになった。

彼女は社会科学系の防災研究者の中では結構名の知れた人で、BC州の
防災計画の再検討、なんて話になれば当然声がかかる人の1人だ。
ということで、できるだけ早いうちに今回の震災関連の研究をはじめ、教訓を
引き出そうとしている。

最初のフェーズでまず地理情報システム(GIS)などを使って人的・物理的・その他
被害状況のデータを地図上にマッピングする作業をすることに決まった。
そこから特に被害が大きかった自治体や逆に少なかった自治体を特定し、それら自治体を
ケーススタディとして被害増幅・軽減に繋がった要因を検討していくことになった。

まさか二時間のミーティングで今後の研究計画まで立てるとは思ってなかったのだが
僕も知らぬうちにそのプロジェクトに巻き込まれ、データ集めを手伝うことになった。
個人的にはちょうど今が論文の一番の踏ん張りどころなので一瞬迷ったが、どうせ
授業もないし、自分が出来るだけ何かこっちで力になれる(アカデミックの世界で)ことは
ないかとちょうど思っていたので承諾した。というか、多くのデータが日本語でしか
手に入らない研究で学部唯一の日本語話者がここで手を貸さない訳にはいかないだろう。

長期的には震災の二次的被害である計画停電や電力不足問題が日本人のエネルギー
利用に対する意識や節電習慣に影響を及ぼしたか調査したい、と教授は言っていて、
それもかなり面白そうだな、と思った。日本に帰って働き出したらさすがに研究の
手伝いをする暇は無くなるだろうが、何か少しでもいいのでこのプロジェクトとの
繋がりを維持したいなあ。

何か有益な情報があればここでも共有していきたいと思います。

2011/03/03

論文書きについてのメモ

友人が来ていた間中断していた修士論文。
現在第三章の書きかけ、といった感じ。まだ道は長い。

指導教官に言われたことと、自分で書いてて常に思うことをメモ。

・論文の序章は「この論文の目的は~」というところから必ず始める。
それによって読者がすぐにこの論文が何についてか、というフレーミングが出来る。

これは自分としては少しジレンマで、「目的は~」という部分を理解してもらう
ためにはある程度背景知識を説明してからではいけないと思ってしまう。だけど、
背景から説明していると「目的は~」という部分に到達するまでがあまりに冗長に
なってしまう。これを解決するためには常に読み手の立場に立った書き方を意識すること。
書き手の頭の中のロジックで進めない。
「~は~である。何故なら~、~だから」というトップダウンの書き方をするべきで、
「~で、~で、~だから~である」というボトムアップの書き方ではダメ。

・章立てとスコーピング


以前に章立ての難しさについて少し書いたが、未だに何を"Introduction"の章に入れ、
何を"Methods"の章に入れ、何を"Model"の章に入れるか迷う。多分それぞれの意味を
厳密な意味で自分が理解出来ていない、という理由の他に「どういう読者を想定するか」
というスコーピングの部分も大きく関わっているんではないかと思う。
ある程度自分が書く内容に関して前提知識を持っている読者を仮定するならば
Introductionからいきなり割と突っ込んだ話をできる。もし万人が読んで分かる物を書こうと
すると前置きが長くなる。修士論文というのはその点でどういう位置付けにあるのかよく
考えるべきなんだろう。

・参考文献、脚注、付録等に譲る内容の判断


自分の論文のコアは何なのかをかなり厳密に定義し、論文の本筋に含めるべき内容と
含めない内容の優先順位付けをする必要がある。これもいちいち結構悩む。

2011/02/06

60周年記念Galaとシンポジウム

写真の見栄えがいいから、という単純な理由で背景色を黒にしてみました。


この1週間は我がSCARPにとっては結構慌ただしい1週間だった。

まず木曜日夜に行われた学部創立60周年記念Gala(祝賀会)。
ダウンタウンのフォー・シーンズ・ホテルにおよそ300-400人の卒業生・関係者が集まった。



SCARPの歴史を簡単に紹介しておくと、創立は1951年。カナダで初の都市計画学部。
創立者は故Peter Oberlanderという人で、カナダ人として初めてハーバード(北米初の都市計画学部)で
都市計画の学位を取得した人物。
のちのち国連人間居住計画へのカナダ代表として活躍した。奥さんのCorneliaも実は
造園家として超有名で、Peterと同じくカナダ勲章受賞者だ。現在もお元気で、今回のGalaにも出席していた。

うちの学部は決して卒業生ネットワークが強固とは言えないので、正直あまり
卒業生の実態については知らなかった。しかし改めて聞いていると、バンクーバー周辺の
プランナー(都市計画屋さん)はほとんどうちの卒業生。司会を務めた人の最初の一言で
「これは言うべきかどうか分からないんだけど、正直言って、SCARPの卒業生が一度に
同じ場所に集まるのはどうかと思うんだよね。だって、今でかい地震が来てみんな
死んじゃったら、バンクーバーにプランナーがいなくなっちゃうよ」と言い、笑いを誘っていた。
でもあながち冗談でもないかも。

バンクーバーは長年『世界一住み易い街』と呼ばれてきた(僕はそもそもランキング
にあまり意味がないと思っている。よほど酷い場所を除けば「住めば都」主義です。)
が、その根拠ともなっている整然とした都市計画は、主にLarry BeasleyとAnn McAfee
という2人の都市計画局長の功績だと言われている。この2人ももちろんうちの卒業生。
2人は2007年に都市計画の分野で最も権威のあるケビン・リンチ賞(MITが毎年発表)を
受賞している。今学期Larry Beasleyの授業を受講してますが、確かにとてもカリスマ的な人。
現在はリタイアして、アラブ首長国連邦アブダビの都市計画アドバイザーをはじめ、
オランダのロッテルダム、テキサス州のダラスなどで国際的に活躍する著名プランナーです。

こういうGalaにありがちですが、いかに卒業生が活躍しているか、という褒め殺し大会という感じでした。


翌日の金曜日は朝から学生主催のシンポジウム。一昨年から始まり、今年が第三回。
今年はキーノートスピーカーとしてハーバード大学のSusan Fainstein教授を招待した。




彼女の最近の著書"The Just City"を題材に都市計画が社会的公正を実現するためにはどうすればよいか、みたいな話をしてくれた。

近代都市計画の歴史は「権威主義的都市計画」と「市民参加的/民主的都市計画」という
2つの対立概念の戦いの歴史とも言える。前者は19世紀のパリ改造で知られるオスマン、ニューヨークのモーゼス
のように理論や専門家の手によって一方的に行なわれる『都市計画』。
対して後者は草の根的で、コミュニティや住民主導の『まちづくり』。Jane Jacobsが特に有名。
これは少し言い換えてみれば前者はどちらかというと「結果重視」、後者はどちらかというと「プロセス重視」とも言える。
前者は社会的公正を実現するためには多少強引でも専門家が理論に基づいて行なう政策
や計画が重要だと主張し、後者は計画段階でいかに多くの市民を巻き込むかが社会的公正を担保する、と主張する。

Susan Fainsteinの主な論点は近代都市計画への過剰批判が「反都市計画主義」の
ような状況を作っていて、結果的にプランナーが聞き役に回り過ぎている、というもの
だった。プランナーはもっと積極的に「正義論」を持ち、社会的公正の実現に関るべきじゃないかっていう話。
その根拠として、市民参加というプロセスは市民同士のパワーダイナミックスに対して
ナイーブすぎる、という点を主張している。公正と思われている市民参加というプロセス
は多くの場合政治的権力を持つ者や直接利害が絡む人の思惑によって不公正な結果を
もたらすことが多いからだ。

でもこれって都市計画っていう分野に限らず政治学の永遠のテーマ。
民主主義っていう制度は情報の非対称性が少なく、十分に教育を受けた市民が
全員投票に行けば理論上うまくいくものかもしれないけど、実際はそんなはずがない。

今回のシンポジウムのテーマは"Justice"だったが、どのパネルでも答えがなく終わりのない議論を延々とした1日でした。
びっくりしたのが、なんとJane Jacobsの息子がバンクーバー在住の市民アクティビストで、
今回のシンポジウムに来ていたこと。「あ、そういえば僕息子です」ってサラリと言った
のでびっくりしましたよ。知ってる人は当然知ってましたが。この辺じゃ有名人みたい。


あまり意識してなかったけど、そういえば日本でもマイケル・サンデルの『Justice』が
去年大流行だった。リーマン・ショック後色々明らかにされたアメリカのinjustice
(サブプライムが低所得者層を食い物にしていたかと思えば、倒産間際の大企業CEOへ
破格のボーナスが支払われるなど)等がきっかけで社会全体のjusticeへの関心が高まっていることの表れなのかな。

シンポジウム中は現在エジプトをはじめとする中東地域で起こっている民主革命の話題も
色々なところで話題に上りました。

2011/01/22

論文の章立て

僕の学部時代の卒論の意義は:

1.『早くスタートを切ること』
2.『きちっとした論文を書くのがいかに難しいか』

を学んだことでした。

今回の修士論文はその反省をいかして1についてはある程度クリア。
しかし2についてはやはり繰り返しのトレーニングが必要と感じます。

学部の卒論に比べて(当然ですが)修士論文のほうがテーマが
より絞られているのでscoping(どこまで書くか、という範囲決め)は
しやすいのは確かですが、やはり一番時間がかかるのが章立ての部分。
最もロジックが問われるところです。

文章を書くときの基本ですが、複数の文章が段落を作り、複数の段落が節を作り、
複数の節が章を作り、というようにメッセージの塊がヒエラルキーを作る構造を
強く意識しなければいけない。これは厳密にやると本当に頭を使うし、長いこと
同じことを考えていると訳が分からなくなってくるので休み休み取り組み、かなり時間がかかるものです。
主張点のダブりをなくし、読者が論文を理解するために必要なコンセプトを最も
分かりやすい順番に並べ、かつ全体のロジックを考えた優れた章立てをするのは難しい。

また、本のようになるのを避けつつも、自分のメッセージを大きなコンテクストに
当てはめて論じることも重要。絞りつつも絞り過ぎない、そのバランスをいかにとっていくかに結構苦心します。
こういうことをパッとすぐできる人は頭良いなあと思う。


僕が今のところやっていて頭が整理されるなあ、と思ったやり方は:

基本ルール:論文の構成は常にトップダウン。大きい構造を決めて細分化していく。
- 最も大きなコンセプトの塊が章を作る。その章内で何をカバー(主張)したいか紙に列挙。
- 列挙したものの中で主張点が類似したもの同士でグループを作る。
- そのグループ内で更にサブグループを作れる場合は作る。
- 最小単位のグループ内で、更にコンセプトの大小を判断して大→小の順に並べる


これをきっちりやればある程度章→節→項の流れが見えてくる。


この基本ルールを常に意識してもうちょっと自分の論文のコンテクストに当てはめて考えると

(1) まずは序章、本論、結論、という3つのおおまかな構造を作る。
(2) 序章と結論の部分は決まったようなものなので本論部分に集中。
(3) 本論の中心がモデルである場合は、モデルを構成する各要素を最も基本単位に分解。
(4) それら構成要素がどのように組み合わさってモデルが出来ているか、という最終形をできれば図式的にまず説明。
(5) 構成要素をそれぞれ説明。
(6) 構成要素同士の組み合わせ方を説明

という感じか。

ミクロで見たりマクロで見たり、というズームイン、ズームアウトを繰り返すので頭疲れます。
ただ、いいトレーニングであることは間違いないので辛抱。

さて、論文に戻らなきゃ。。

2010/12/12

循環型社会

今学期取った授業の1つがSustainability Governanceに関するものだった。
持続可能な社会の実現にあたってガバナンスの形態がどのように変化しなければ
ならないか、ということを考える授業だ。授業で扱った題材全てに共通する考え方が
Integrated Resource Management(IRM)というもの。IRMは日本語では『統合的資源管理』
とか言うらしい。教えるのはBC州のMinistry of Sustainable Resource Management
の元Deputy Minister(次官)だったJon O'Riordan教授。

現在の経済モデルは、経済というシステムに「資源というInput」を投入し、それが加工、消費
されて「廃棄物というOutput」として出てくる、という直線的な考え方に基づいている。
それに対してIRMは『本来自然界には廃棄物というものは存在しない』という生態学の
原則に基づいた資源管理の考え方だ。日本でよく言う『循環型社会』の基本原則と言ってよいと思う。

この授業の最後の課題が、実在するインフラ設備や資源利用法をIRMに基づいた
ものに変更するならどういったものが考えられるかコンサルタントになったつもりで議会に
対して仮想の提案書(Policy Recommendation)を書く、というケーススタディだった。

うちのチーム(4人)は現在実際に検討されているバンクーバー広域地域の廃水処理施設
のアップグレード・建て替えに関して書くことにした。今年の5月にカナダ連邦政府環境省
の定めた新環境規制により、国内全ての廃水処理施設に対してSecondary Treatment(二次処理)
が義務付けられた。これを受けて、バンクーバー広域政府は既存の古い廃水処理施設を
取り壊し、新しい施設を建てることを検討している。僕らのチームは、新施設の1つの方向性
として、IRMに基づいた全く新しいシステムにすることを提案した。

例えば、今まではそのまま処理して海に流していた廃水を家庭や産業・工業用の非飲用水
(冷却水、感慨水、トイレを流す水等)として再利用したり、下水が持っている熱を
ヒートポンプを使って回収して暖房に使う事が可能だ。また、廃水処理だけではなく
有機廃棄物(コンポストや庭の草木)の回収も同じ施設で行なうことにより
バイオガスを生成しそれを使って電力を作ったり、車を走らせることができる。
このように、現在『廃棄物』として扱われている物全てを資源に変える複合施設を
作り、インフラもそれに合うような物に作り変えるのはどうか、という提案だ。
(プレゼン用に作った図が以下:1が既存のシステム、2がIRMに基づいたシステム)



こういう取り組みはスウェーデンやドイツで既に多くの実例がある(Stockholm,Kristianstadなど)。
実際、技術的にこういう施設・インフラを作ることは決して難しいことではないらしい。
問題はこの授業の主題でもあるガバナンスをどうするか、ということだ。
現在の行政システムは上水の管理と下水の管理が別々だったり、固体廃棄物と液体廃棄物の
処理が別々だったりとかなり縦割り行政になっている。これをIRMのような統合的なものに
するためには現在の縦の繋がりから横の繋がりへ、大規模な組織改革が必要になる。
それに関してももちろん提案書の中に具体的にどういう連携が必要になるのかを盛り込んだ。

長く行政に関ってきた教授によれば、このガバナンスの部分を変えるだけで10~20年
という単位の時間がかかるだろう、という事だった。こういう自治体レベルのインフラ
に限らず、世界レベルでも持続可能な社会の実現を阻むのはハードの部分ではなく
必ずソフトの部分なんだ、とつい先日までメキシコで行なわれていたCOP16の報道を
見ても思った。

IRMの考え方自体はとても単純で当然のことをしているだけ、といえばそれだけ
の話なのだが、あらゆる資源管理をIRMというレンズで見ると見方が変わってくる。

昨日まで一緒にウィスラーに行っていたクラスメートの友人(女性)も、ホテルで夜
話していた時に「ちょっと汚くて、しかもnerdy(勉強オタクっぽい)な話なんだけど、
あの授業を取って以降、トイレに行く度に『あー、熱が無駄になった』って
思っちゃうんだよね!」と言っていた(笑)

2010/11/09

プレゼン

毎週モデルに介入して変更を加えていくアーバンデザインのクラス。
今週はうちのチームがデザインを担当する番だったが、発表の二日前まで
チームメンバーの都合がなかなか合わなくて、昨日と今日は一日中スタジオに
篭ってモデル作りに励んだ。

毎週違うチームが発表をするが、週を追うごとに明らかにハードルが
どんどんと上がっていっている。パワーポイントのプレゼンは必須ではないけど
毎回みんな綺麗なものを仕上げてくるので、次のチームはそれより更に良いものを
作らなければ、というプレッシャーがかかる。

見かけは二の次、と言えどパワーポイントの見易さとかっこよさは結構大事だ。
最近はInDesign, Illustratorといい、グラフィック系で遊ぶのにはまってるので
積極的にプレゼン作成を担当させてもらって色々試している。
この際だからOffice2010の新しい機能を駆使してプレゼン作りの練習をしまくろう。


2010/10/04

ミニチュア都市が生まれる過程

僕は一応カメラをやっている、ということで今受講中のアーバンデザインのクラス
の記録を勝手にやらせてもらっている。
前からタイムラプス動画(コマ送り)をやってみたかったので、このクラスなら
それを撮るのにピッタリ。

定位置に三脚を固定しておき、カメラにレリースを付けてみんなに
横を通る度に押してもらう方式にしたら結構うまく撮れた。

それを更にWindows Movie Makerというもともとパソコンに入っていたフリーソフト
に放り込んで音楽を選べばいとも簡単に出来てしまった。要した時間1時間。
更にそのままWindows Movie MakerからYoutubeにアップロードするボタンがあるので
あっという間に公開可能。マルチメディアの力、スゴイ。

2010/09/25

都市計画っぽい授業

今学期から初めてようやく都市計画学科らしい授業を取り始めた。
アーバンデザインのクラス。今年はチャイナタウンがテーマで、まずは現在の街のモデルを
作り、それが完成したらチームごとに少しずつ変更を加えていく。
想定は20年間で起こる変化。

他の授業に比べて圧倒的に具体的だし実用的なので面白い。
ただ、長時間紙を切ったり貼ったりして建物を作っていたので結構疲れた。



2010/09/24

自分は恩恵を受けない建物

我がSCARPが入る建物は、施設の充実度という意味ではUBCの中で最下位レベルに
ランクインすると思う。学生の間では通称「モーテル」とか「プレハブ小屋」などと
呼ばれている。60年前に学科が設立されて以降、ずっと「暫定的な」建物から動いていない。

学部時代の農学部の建物もかなり古かった(在学中に改修されたが)けど、あれはあれで
歴史的建造物として価値があるものだったが、現在の建物は「カッコワルい」古さなのだ。

これではさすがにちょっといかん!ということで昨年から本格的に新しい施設を
建設するプロジェクトが始動した。新しい建物には都市計画と分野的に非常に近い
建築・造園学科(SALA)も一緒に入ることになる。今まで交流が無かったが、実際の
仕事現場では関わりの多い分野同士だから、学生時代からお互いがどういうことを
やっているのかを知る価値は十分ある。

今日は、夕方からこの建物をデザインする建築ファームのコンペ・プレゼンのような
ものに行ってきた。数多くの候補者から既に4チームに絞ってあり、今日はそのうち2チームが
構想を発表し、それを学生と教授陣が評価する。(といっても最終決定権は専門の委員会にある)
残りの2チームは来週の木曜日に同じようにプレゼンをすることになっている。

予想以上に学生からの関心が高く、建築・造園・都市計画合わせて優に200人くらいは
見に来ていた。プレゼン会場から溢れ出た人達(自分含む)は別室でライブ中継映像を
見させられたほどだった。

2チームとも国際的に名の知れたチームで、チーム構成的には建築ファームとランドスケープ
アーキテクチャファーム(造園)が1社ずつ入るセットになっていることが多い。
大体どのチームも過去の作品の自慢大会になるので、色々な綺麗な建物を見ることが出来る。
ニューヨークタイムズビル(レンツォ・ピアノのデザイン)の造園をしたとことか、
イエール大学の新しい環境スクールのゼロ・エミッションビルを建てたファームとか、
かなり面白い作品が次々に登場して、見ていて楽しかった。
しかし、彼らはこういうプレゼンしょっちゅうしてるはずなのに、かなり
緊張してガチガチだった。恐らく、建築家の卵とはいえ事情を熟知している人達の前で
プレゼンするのはかなりのプレッシャーだったんだろう(笑)

しかしこのプレゼン、自分は根本的に勘違いしていたのだが、実際に建てようとしている
建物のモデルなどはほとんど提案されない。むしろそのチームの空間デザインに対する
哲学や理念、コンセプト的なものがほとんどで、それに共感をしてもらうことが目的だった。
過去のプロジェクトの披露は、そういう哲学が実際にどう建物に反映されているかを
見せるために使われる。
まあよく考えれば、まだ彼らは仕事を受注した訳ではないので大掛かりなモデルを作ったり
デザインしたりするのに時間・お金を割けないのだろう。

建築物たるものは人と空間の関わりにおいてどのような役割を果たすべきか、みたいな
哲学的な話ややたらポエティックな表現が多かったのでちょっと拍子抜けした。
けど、自分の知り合いの範囲で考えても建築家目指す人って哲学チックな話が大好きな人多い。

でも今日のプレゼンを見て、「あ、建築家ってそういう職業なのか」と妙に納得した。
物理的な空間にどうやって概念的な物を表現するかってひたすら考えてるんだもんな。

2010/09/16

指導教官と会う

この秋から本格的に修士論文の執筆に取り掛かる。
今まではProgram Adviserという、カリキュラム全体について助言をくれる教授に
ついていたが、これからは論文の内容を指導してくれるのに最適なThesis Adviser
を選ばなければならない。僕はフットプリント関連の論文を書いているので、
指導教官はもちろん1人しかいない - そもそもフットプリントを提唱した張本人であるリース教授だ。

今日、初めて教授と論文について軽い打合せをしてきた。
夏にインターンで始めた研究の概要を説明して進捗状況を報告。その調子で良いだろう、
というOKをとりあえず頂いた。次来るときは「何故この論文を書くのか」という
Problem StatementとPurposeを10~15ページくらい書いて持ってこい、ということだった。
「1日500ワードでいいから少しずつ論文を書いていきなさい。残ってるコースワーク
もそこまで多そうじゃないし、順調に行けば春までに終わるよ。さっさと書いて
早く卒業しな。」と言われた(笑)
でも友達にこれを話して、よく考えれば500ワードって2ページくらい。このペースで
書いたら僕の修論は一体何ページになるんですか?(笑)
ま、適当に言った数字だろうけど。

「他の指導教官は『先行研究』というセクションを個別で設けろ、というかも
しれないが、僕はその意義が前からよく分からない。Problem StatementとConclusion
という、自分の研究を大きなコンテクストの中に入れる必要があるセクションで随時
引用すればいいのであって、特別に文献を羅列するセクションはいらない。無駄。」
と言われたのがちょっと新鮮だった。オーソドックスではないかもしれないけど、
なるほど、と思った。構成については決まったフォーマット等、大学側の指導も
あるので、そのワークショップにも出てみて考えよう。

PhD Comic、というドクターの人達の可愛そうな生活を皮肉るマンガサイトがある。
自分は博士課程じゃないけど、確かに!と分かる物が結構ある。

例えばこれなんか・・・

メールを一本書くのに要する平均時間:教授1.3秒、学生1.3日

I was wondering perhaps you might have possibly gotten the chance to
potentially find the time to maybe...って学生のメールの内容がかなりウケる(笑)
(日本語にすると「もし、少しでもお時間を割いて頂ける可能性がおありかも
しれないのではないかと思っておりまして・・・」という感じ)

これはさすがにかなり脚色してあるけど、確かに教授と学生ってパワー関係では圧倒的に学生が劣るよなあ。
こちらは日本程じゃないけど、このマンガがウケるってことはこっちでも状況は似てるんだろうな。

うちの先生は大御所といえば大御所だし、人当たりが凄く良いとは言えないけど割とフランクなのでその点は少し安心。


他にも横軸に時間、縦軸にやる気(ambition)をとったグラフなんかも面白い。

2010/09/13

今期の時間割

最近完全に留学記ではなく遊学記と化しているので
久しぶりに学校関係のことを書いてみる。

今期の時間割(予定)

1.PLAN513 Economic and other Quantitative Methods (3)
月曜日18:30-21:30


産業連関分析、フルコストアカウンティング、人口分析、不動産開発経済学
などなど、都市計画で使う定量的手法を悪く言えば広く浅く学んで行く授業。
修士論文で産業連関を使うので役に立つかも、と思って取ってみた。
教授はadjunct(非常勤)で、PWCでのコンサルタントを経てバンクーバー近郊、
ポートムーディー市の元都市計画長を経験した人。
実社会への応用、という視点が得られることを期待。

2.PLAN548L Theory and Methods of Urban Design (3)
火曜日14:00-17:30


都市計画学科を出ておいてアーバンデザインを全くやってないのは恥ずかしい!
ということで芸術的センスの欠如を日本人お得意の手先の器用さで補い、モデル作りに
挑みます。紙を切ったり貼ったりして手を動かすスタジオ授業なので楽しみ。

3.PLAN548F Sustainability, Planning and Governance Approach to Whole Region Governance (3)
水曜日14:00-17:00


今後おそらく重要性が増すであろう、地域計画、地域ガバナンスに関する授業。
ポートランド留学時代から複数の都市をまたぐRegional Planningには興味を
持っていた。但し、教えるのがおじいちゃん先生だというので少し心配。
最初の授業に行ってみて、考えよう。

4.Directed Studies (3)

講義に出席するのではなく自習の成果を提出して単位認定してもらうシステム。何でもアリ。
修士論文の先行研究調査のために利用しようと思っている。

5.LARC535 GIS Workshop (1)

これも直接論文などで使う予定は今のところないが、都市計画学科卒としては
囓っておきたいハードスキル、GIS。
Geographical Information System(地理情報システム)はコンピュータを使って
様々な情報を地図上に落としていけるプログラム。
Landscape Architecture(造園学科)を通じて提供されている授業。

2010/03/12

5時間の講義

先週学生主催のシンポジウムのために休講にしてもらった
Urban Market and Financial Analysisという講義を2講義分まとめて
受けてきた。8:30-13:30、途中休憩15分間の5時間講義。
長かった・・・。

この授業は土地経済学を中心にディベロッパーがどのようなことを考えて
開発事業を行うのかを学ぶ。ゾーニング、容積率(FSR)、開発権移転(TDR)
の話など、プラクティカルな知識を多く学ぶので、今期唯一「都市計画学科」に
いる気分になる授業。

ドライだし複雑な話が多いけど、教えるのが非常勤の開発コンサルの人(MIT卒)で、
もの凄く話し方がうまいし面白いので飽きない。しかも5時間ぶっ通しで話続けてる
のにまだまだ余裕、という感じだ。
教え方に関してはadjunct professor(非常勤)の方がだいぶ聞いてて面白い。
世間で揉まれてるかの差なのかな(笑)


明日は久しぶりにウィスラー滑ってきます。昨日から40cm以上の降雪があったので期待!

2010/03/11

聴覚障害と都市計画

今日はQualitative methods(定性的研究手法)のクラスで行っている
グループプロジェクトのfocus group interviewを2時間かけて行なった。

UBCのAccess&Diversity Office(障害者やその他教育へのアクセスに苦労している
人をサポートする事務所)がクライアントで、キャンパスの物理的な環境(教室や
建物、道など)がどのようにして障害を持つ人達のアクセスに影響しているか調べて
レポートする、という課題。研究結果は実際にキャンパスのインフラ向上に役立てられる。
グループごとに異なる障害を対象にしているが、うちのグループは聴覚障害を持つ人が対象。

今日のインタビューでは、cognitive mapping(日本語訳分からん。自分の意識している
物を中心とした地図を書いてもらうエクササイズ)とfocus group(企業のマーケティング部署
がユーザーの主婦とか集めてやるようなやつ)という2つのエクササイズを通じて聴覚障害を
持つ3人の学生から意見を収集した。

念のためにキャプショニスト、という高速タイピングで会話を全て字幕化してくれる
通訳さんのような人に来て貰った。ちなみになんと1分間で220単語打つそうです(220文字
じゃなくて220単語!)。ただ、普通のキーボードじゃなくて特殊な物を使ってました。
そうじゃないとあのスピードは絶対無理・・・


cognitive mappingもfocus groupもメンバーみんな初めての経験だったのでうまくいくか、と
最初は心配してたけど、予想以上に参加者の人達が積極的に発言してくれた。
むしろ時間がオーバーしすぎないようにうまくファシリテートするのに苦労した。

いくつか面白いな、と思った点:

・歩道が広いところは横並びで歩けるので友達と歩いている時に聞き易い。

・聴覚補助器機は周りの音をかなり増幅させるので、食堂や図書館のうるさい部屋は避ける。

・最近増えてきた"グリーンビルディング"と言われる建造物は全面ガラス張りの物や
オープンスペースが非常にたくさんあるので、聴覚障害者にとっては最悪。
音がエコーしすぎて非常に聞こえづらい。むしろ古い建物で、壁が音を吸収してくれる
ような柔らかい素材で出来ているとベスト。

・特に秋になると道の落ち葉を踏む音で歩いているときに会話が聞こえづらい。

・自転車が後ろから来ても全く聞こえないことがあるので自転車専用レーンはちゃんと
常に分けて欲しい。


他にも色々と「あ、そうか」と思う点がありました。

バリアフリーとかユニバーサルデザインというような言葉がようやく浸透して
きましたが、特に聴覚障害者のような目に見えない障害(invisible disability)
に関してはあまり注目されず、実際文献調査をしても非常にデータが少ない。
というか物理的な環境(built environment, physical environment)との関係に
ついてはほとんど過去の文献が存在しないに等しいようです。
ということで、募集して集められた参加者がわずか3人でしたが(これだけ集めるのも
非常に苦労しました)、今日集めたデータは結構意義のあるものだったと思う。

こういうインタビューをすると、明日から街を見る目が変わりそうです。
都市計画家って恐らくこういう異なるレンズをたくさん持ってることがとても大事。
ただ、グリーンビルディングの例のように矛盾が起こる場合は判断が難しいところです。

2010/03/10

プライスシグナルは種の保全に繋がるか?

EUがクロマグロ禁輸支持という記事を見て、プライスシグナルと種の保全について考えた。

経済学は「稀少資源の効率的な配分」を考える学問。そのコアとなる考え方が供給曲線と
需要曲線によって市場価格が決まり、それにより消費水準がコントロールされる
(価格が上がれば消費が減る、価格が下がれば消費が増える)、ということ。
これによれば、資源の稀少度合いに応じて価格がそれを現してくれる(プライスシグナルを
発する)ので、放っておけば勝手にマーケットが調整し、政府の介入などいりません。
いわゆる「神の見えざる手」ってやつ(マラドーナじゃなくてアダム・スミスね)。

でもこれって全てにおいて、特に天然資源においても成り立つルールなのか?

以前エコロジカル経済学の講義で「価格が低くても高くても種の絶滅は起こる」という
ことをチラっと学んだ。面白かったので関連の論文を調べてみた。

Markets and Biodiversity loss: some case studies and policy considerations
ではまさにクロマグロ(Atlantic bluefin tuna)の例を引き合いに出している。

資源経済学ではある種の個体数の均衡点(X)はコスト(C)と市場価格(P)を
用いて X=C/P と表される。
つまりコストが市場価格を上回れば個体数は回復する、という単純な式だ。

多くの商品は稀少性が増してくるとextraction costが大きくなり、価格も
上がる。そうこうしてるうちに代替財が現れ、そちらに消費が移行する。
石油と再生可能エネルギーの構図と一緒だ。

しかしクロマグロの例ではコストは大きく上がってはいるものの、
市場価格がそれを更に上回る勢いで上昇しているので漁師の人は尚も
マグロ漁に出るインセンティブがある。式で言えばP↑のスピード>C↑のスピード
なのでX↓。

何故価格が上がっても需要は減らないのか。

まあ直観的にも分かることですが、クロマグロ、特にその中でも最高級の
オオトロのような商品はステータスとの結び付きが非常に強い。そういう商品
においては価格が上がるとむしろ需要も増える、ヴェブレン効果(Veblen Effect)
という現象が起きる。その背景にあるのは、ステータスを示すための
誇示的消費(conspicuous consumption)。ヴィトンのバッグを買う心理と全く一緒だ。

代替財が現れるとすれば、養殖マグロや他の種類のマグロなのだろうけど、
(クロマグロの養殖は確率が低いものの成功している)むしろ誇示的消費の世界では
パチモンではなくホンモノにこそ意味があるので全く関係ない気がする。特に魚は
養殖と天然ではステータスがまるで違う。養殖の存在がむしろ天然の価値を更に
引き上げる可能性すらある。

市場は万能じゃない、というのは多くの経済学者が認めている点ですが、
このクロマグロの例でも稀少性を現すはずのプライスシグナルが種の保全に
おいては役に立たない可能性を大いに示している。

そもそもこの記事は数日後に開かれるワシントン条約会議に関連して書かれた
ものですが、上記のような理由により国際条約のような形で守ることには賛成です。
クロマグロが食べられなくなることよりも、食物連鎖の上位(high trophic organisms)
にいるマグロのような生き物が消えることによる生態系への影響の方がよっぽど問題です。
別にクロマグロ食べなくても死なないし。

この辺は水産学部の知り合い連中の方がよっぽど詳しいと思いますが。

1つ思うのが、もしクロマグロがワシントン条約で絶滅危惧種扱いに入って国際取り引きが
禁止になったら(なると思いますが)、絶対ブラックマーケットが出来て更に値段が上がる
ことが想定される。EU圏内の取り引きは国際取引とみなさない、ということらしいけど
EU圏外への密輸の徹底防止が伴わなければ逆効果になることすら考えられる。
ちなみにクロマグロの消費は日本が8割も占めてるそうです。
そんな巨大なマーケットが文句を言わないはずがありません。
築地のおっちゃん達がシュプレヒコール!してる写真を見ました。


先日のSeaChoiceの話といい、なんで都市計画学科にいるのにこんな話ばっかするのかって?

日本語では都市計画と言ってしまってますが、Planningってこちらでは
もっともっと広い意味で、僕の学科内専攻も一応Ecological&Natural Resource Planning
という名称です。なので土地利用計画や水関連に絡めて資源管理的な勉強も結構
するのです。なんだかんだ自分の環境への興味は鳥から派生してるので、最初は
都市環境の勉強が面白そうだなあ、と思ってやってきましたがどうも生物多様性、
天然資源系の話にやはり一番興味があるのではないかと思い始めた今日この頃。
日々興味関心がフラフラしてます・・・

これから「都市計画勉強してます」って言うのやめようかな~。
ちょっと言葉の意味が狭すぎる気がします。

2010/03/02

アドミション委員会

3週間くらい前からAdmission Committeeという、うちのプログラムへの
出願者の書類を審査する委員会に入っています。今年の9月に入学してくる人達を
決める大切な仕事ですが、学生も加わって(手を挙げれば参加できます)1人1人の
合否を議論します。

最終的な決断のウェイトで言えば、もちろんこの仕事に慣れていて過去の蓄積もある
教授陣が大きな部分を占めていますが、思ったよりも学生の意見がかなり尊重される。
僕が気に入って、この人は是非入れたい!!と思う人がいて、それが説得力のある正当な
理由ならば通っちゃう。

例えるならば日本のAO入試の合否決断に在校生が加わる感じ。
テスト方式の受験だと公平性が保たれるように採点も極秘で行われたりしますが、
そもそも書類審査って明確な点数的基準もない総合審査なので、その辺ユルい。
「書類持ちだしてどっかコーヒー屋で見てもいいよ、その代わりちゃんと返しといてね~」
といった感じで、信じられないくらい柔軟というかルーズというか・・・。

さすがに個人情報満載なので、他人に詳細を語らないことなどを最初に約束する
プロセスはありますが、あまり厳しくない。よって、もちろんこの場で具体的な話は
書けませんが、全体的に感じたことをちょっと書きたいと思います。

僕は環境系のstream(集中分野)なので、同じstream志望の人達の書類を見てます。
合格するのは30人くらいで、出願者は200人くらいの模様(これは例年大体似たような
数字で、公表もされてるので問題ないはず)

1人1人の志望理由書、成績(GPA,GREのスコア[うちではオプショナル])、推薦状
履歴書などを見て項目別に点数をつけてランキングをつけていく。確実に採りたい、
って人には早く連絡して奨学金のオファーを出さなければいけないのでまずは
成績など分かりやすい指標を使って上から見ていく。成績全てではないとはいえ、
やはり効率的に優秀な人を採っていくためにはこうするしかないんでしょうねー。
教授の意向によって全然やり方が違うとこもあるみたいですが。

就職活動のESで学歴によって切られるってのも良いか悪いか別として結局同じこと。
全員対等に見ていきたいけど、限られた資源で効率良く優秀な人材を採用するためには
ある程度目で見える指標が必要だし便利。


ざっとやってみた感想は・・・難しい!あるライン以上はみんな成績は良いし、
経験も豊富だし、推薦状も良いものを取ってくるし、その中でランクづけするのは
正直心が痛む(笑)明らかにダメってのと明らかに良いってのは文字通りはっきり
してて、その間にいるごちゃっとした層が似たり寄ったりで順位をつけるのが
非常に難しい。教授陣ももちろん同じこと言ってました。

あと、予想以上に教授陣はもの凄く丁寧に書類を読みこんでいる。
どうせ書類たくさん見ててうんざりしてるから適当に書いたって関係ないだろ、
と思ってたら大間違い。行間までちゃんと読んでます。凄くパーソナルに
その人の辿ってきた経緯を想像し、ここは評価すべき、っていうポイント
を言ってたりしててびっくりしました。自分の書類もこんな感じで議論
されてたのか、と思うとちょっとハズカシイです(汗)

面白いのが、この人は!って人に関してはみんな意見が一致したこと。
似たような中でもやはり光る人はいて、そこはほぼ全員(学生・教員)似たような
高いランクをつけていた。正直自分がつけたランクが全く教授と一致せず、
トンチンカンだったらどうしよう、と思ってたから自分の目はそこまで狂って
いなかったんだな、とほっと安心(笑)
逆に中間層の中ではランク付けにかなりバラツキが出始める。
重視するポイントが審査する人によって違ったり好みが出てくるからだろう。

これまた就活に例えると、受かる人は複数の所からオファーが来るってのと
似てるのかな。でも就活はその人のスペックだけではなく社風とか企業文化との
適合性も大いに関係あるのでいくら優秀でも受からない人はいて、その辺
少し違う気もします。

最後に、推薦状が一番読んでてつまらない。ほとんどの推薦状はベタ褒めの嵐で
(良く聞くことだけどホントなんだ、これが)、やはり一番有効なのは具体的に
その人の良い点、欠点を指摘してるもの。ビッグネームや審査してる教授の知り合い
からの推薦状でもない限り出来る限り一番自分をよく知ってる人に書いてもらうに
越したことはない。


と、結構就活に例えてみましたが、そもそも僕がこの委員会に入ろうと思ったのも、
審査する側を経験してみたかったからに他ならず、近い将来やってくる就の活って
もんの採る側の気持ちが少しでも分かればいいかな~と思ってやってみました。
(書類審査だけで面接はないけど。)

時間かかるし面倒な作業も多いけど貴重な経験になりました。
あとはこの経験を活かして「この人は!」って思ってもらえる人になれるかが
大きな問題です(笑)


ってなわけでざっくし書いてみました。
こんな裏話を書いてもいいのか?と思われるかもしれませんが(全然秘密情報は
書いてませんが)実際このプロセスはホントその学校次第、その学部次第、その教授次第
で全然違うので、例えこの記事で詳細を明かしたとしても他のやり方と全く違う可能性大
なのであまり参考になりません(笑)

ただ、凄くおおまかな点はどこも似てると思うので今後受験される方へのご参考までに。

2010/01/22

エコロジカル経済学

サステイナビリティ(持続可能性)という言葉はここ数年で日本でも
しょっちゅう聞く単語になってきました。日本以上にこちら北米ではよく
聞く言葉で、もはや日本の「エコ」と同様に流行り言葉と化して濫用されて
いるように思います。なんでも「サステイナブル」と書けば何かよく分からない
けどとりあえず良いことをしてまーす、というような軽いノリで使う企業や
団体が多い。

「サステイナビリティ」,「持続可能性」の最もよく知られた定義はブルントラント
レポートの「将来世代のニーズを損うことなく現在世代のニーズを満たすこと」
という行だと思います。文字どおり人間がこれからも地球上に持続的に存在できるように
するためには人間のあらゆる活動がサステイナビリティの条件を満たしていなければ
なりません。しかしサステイナブルである条件ってなんだ?と厳密に考える機会は
なかなかないのではないかと思います。

「将来世代のニーズを損うことなく現在世代のニーズを満たすこと」というのは
考え方としてはよく分かるけどもでは具体的にどういうクライテリアを満たす必要が
あるのか。それを理論的に考えるのがエコロジカル経済学という分野で、今学期
セミナーとして受講している授業の主題。よく環境経済学=エコロジカル経済学と
誤解されますが、全く考え方は別物です。環境経済学は新古典派のミクロ経済学の
考え方を環境面に応用した経済学の一分野ですが、エコロジカル経済学はむしろ
生態学や物理学(エントロピーの考え方など)などのphysical scienceをベース
とした比較的新しい学問分野で、現在のメインストリームに対するアルタナティブ
として野党的ポジションから新古典派にかなり食って掛かっています。

授業が始まって三週目ですが、大分サステイナビリティの厳密な意味を理解
出来たきた気がします。分かったときに書き残しておくのが一番なのでこれから
ちょくちょくエコロジカル経済学、サステイナビリティについての独り言を書いて
いこうと思います。

2010/01/04

今学期の授業

Seminar on Ecological Economics (PLAN596)

再びRees教授の授業。先学期よりも経済学に主眼を置いた授業。
セミナー形式なので少人数制でプレゼンあり。

Legal Context of Planning (PLAN 506) 必修

カナダで働く気はあまりないので最初は免除してもらおうかと思ってた
法律の授業。でもまあ法律を学べばその国の価値観が分かるし、のちのち
日本の法律に触れる機会があれば比較対象にもなるので取ることに。
あとは単純に語学の観点から英語で法律用語が分かることはプラス
かなあ、という思惑も。

Planning Research: Qualitative Method&Research Design (PLAN515) 必修

定性的研究手法とリサーチデザインのクラス。特に後者(リサーチデザイン)は
自分に足りない、というか日本で教わる機会がなかったトピックなので
そこは必要だと思う。

Urban Development Market&Financial Analysis (PLAN 561)

土地経済学のような授業だと解釈してますがまだ第一回目の授業に行っていないので
まだ正確には分かりません。不動産開発に関わるお金の動きを理解しておくのは
一応都市計画専攻を出る者として必須かと。

2009/11/28

シャドーイング

通訳の練習や英語の練習でシャドーイングという方法がある。
ラジオやテレビで喋っている内容を数秒遅れで繰り返す。
聞いたことを自分の口で再現することによってリスニングもスピーキングも
鍛えられる。

シャドーイングにはこれと同じような意味で、誰かにくっついて
仕事を習う新人、というような意味もある(まさに影[shadow]のように)。

今日はその「シャドーイング」をしてきた。授業の課題で、興味のある分野で
働いてる都市計画家の人を適当に自分で探してコンタクトをとり、その人の1日を
経験してレポートしろ、というもの。僕が選んだのはメトロ・バンクーバー(地域政府)
の地域計画を策定している女性。彼女の元でインターンをしていた学部の
知り合いに紹介してもらった。

朝、まだ暗い7時に家を出て職場へ向かった。かなり久しぶりに晴れて
くれて、朝の柔らかい光が綺麗だった。

電車とバスを乗り継いで行く。
窓から見える山並み。もう上は雪だ。
朝露で白くなったグラウンド。初冬の朝。
晴れると本当にバンクーバーは景色が綺麗な場所だ。

職場は20階建ての全面ガラス張りの建物で、上からの景色は思わず息を呑む美しさ。
オフィス内も超綺麗。日本の政府の建物と大分雰囲気が違う。


肝心のシャドーイング。9-12時はバンクーバー地域22の自治体代表者が
集まる月例の会議に一緒に参加させてもらった。地域の交通計画や温暖化ガス
削減目標に向けた取組のプレゼンなど、興味深い内容ばかりだった。
お昼は彼女の同僚と共に近くのインド料理に連れて行ってもらい、奢って
頂いた。昼食の間も、同僚の方に色々質問をし、日本のことも色々と聞かれて
有意義な時間だった。午後は主にインタビュー。彼女が都市計画家になった経緯
やこの地域の課題や今後の展望、大学院で習った知識がどこまで職場で活かされて
いるか、などなど1時間近く語ってもらった。その後も、環境系の仕事をしている
彼女の同僚に1時間ほど話を聞いて15時くらいに終了。

どの方も超きさくで、ミーティングもジョークを交えつつ白熱した議論が
展開されていた。働いている人はみなワークライフバランスがかなりとれている
印象だった。こういう機会がないとインターンをするまでなかなか実際の職場
を体験することはないのでとても貴重な経験だった。

聞いた話はまた後日アップします。


ちなみに彼女はなんと札幌に3年間住んでいたそうで、最初は
江別でホームステイ、その後は白石区に住んでいたらしい。こんなところで
こんな北海道ローカルトークをするとは思ってもみなかった(笑)

2009/11/26

授業風景

プレゼン二個目が無事終了。
うちのグループの直前のプレゼンが秀逸かつ爆笑物だったのでかなり
やりにくかったですが・・・。
この授業は「Planning History and Theory」というクラスですが、
教授がかなりラディカルでクリエイティブな物大好きなので、みんな
これでもかというほどぶっ飛んだプレゼンをしてきます。




その例のプレゼンは、「The Dating Game」という昔の番組のパロディーで、
都市計画を行う際の異なるアプローチを見事に絡めてスキットにしていた。
変装といいセリフといい、短時間で仕上げたとは思えない出来で脱帽。

うちのグループ


その他の授業風景も紹介しておきます。



知り合いから貰った写真でブレブレの物もありますが御容赦下さい。

2009/11/23

1つ終了

とりあえず今日無事1つのプレゼンが終了。
二回くらい通しで練習した甲斐があってスムーズに終わった。

ただ、プレゼン自体よりも最後のQ&A+ディスカッションの時間が大事。
聴衆をグループ分けして、予め用意した質問について議論してもらう。

こちらに来てからディスカッションの時間になると毎回思うことだけど、
みんな頭の回転早いし、何よりも偉い。本当にちゃんとプレゼンを聞いて
しっかり理解している。議論もめちゃくちゃ活発だし質問も必ずしてくれる
ので、プレゼンをしている側としては日本のようにシラケる心配は一切
しなくていいのが気楽。こういうカルチャーは見習いたいところだ。

但し、みんな色々アイディアをバンバン出してくれるのは良いけど、質問に対する
答えをある程度形として出すためには予め発表役兼ファシリテーターを決めておく
ことが重要だ。ファシリテーターになった人は後々まとめを発表しなければいけないので、
話が逸れてくれば自然と流れを元に戻して議論を収めてくれる。
グループディスカッションの基本の「き」だけど、意識的に行わないと雑談で
終わる可能性が高い。

とにもかくにも今学期はこの授業に関しては全て終了。あとは来週残りのチーム
のプレゼンを聞くのみ!授業が1つ終われば他の3つに時間を全て使えるので
大分精神的に余裕がうまれます。よっしゃー!


全く話は変わりますが、ウィスラーは11月の歴代最高降雪量を日々更新中です。
今日の時点で520cm(!!)、積雪は230cmほど。今月はまだ一週間近くあり、まだまだ降りそう
なので、この勢いだと6mは突破しそうです。年間平均降雪量が10m20cmだそうなので11月
だけで既に平年の半分以上が降ったことになります。トンデモナイです。ウズウズ。