サステイナビリティ(持続可能性)という言葉はここ数年で日本でも
しょっちゅう聞く単語になってきました。日本以上にこちら北米ではよく
聞く言葉で、もはや日本の「エコ」と同様に流行り言葉と化して濫用されて
いるように思います。なんでも「サステイナブル」と書けば何かよく分からない
けどとりあえず良いことをしてまーす、というような軽いノリで使う企業や
団体が多い。
「サステイナビリティ」,「持続可能性」の最もよく知られた定義はブルントラント
レポートの「将来世代のニーズを損うことなく現在世代のニーズを満たすこと」
という行だと思います。文字どおり人間がこれからも地球上に持続的に存在できるように
するためには人間のあらゆる活動がサステイナビリティの条件を満たしていなければ
なりません。しかしサステイナブルである条件ってなんだ?と厳密に考える機会は
なかなかないのではないかと思います。
「将来世代のニーズを損うことなく現在世代のニーズを満たすこと」というのは
考え方としてはよく分かるけどもでは具体的にどういうクライテリアを満たす必要が
あるのか。それを理論的に考えるのがエコロジカル経済学という分野で、今学期
セミナーとして受講している授業の主題。よく環境経済学=エコロジカル経済学と
誤解されますが、全く考え方は別物です。環境経済学は新古典派のミクロ経済学の
考え方を環境面に応用した経済学の一分野ですが、エコロジカル経済学はむしろ
生態学や物理学(エントロピーの考え方など)などのphysical scienceをベース
とした比較的新しい学問分野で、現在のメインストリームに対するアルタナティブ
として野党的ポジションから新古典派にかなり食って掛かっています。
授業が始まって三週目ですが、大分サステイナビリティの厳密な意味を理解
出来たきた気がします。分かったときに書き残しておくのが一番なのでこれから
ちょくちょくエコロジカル経済学、サステイナビリティについての独り言を書いて
いこうと思います。
雨の小道
7 年前
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