実は先週企画したパーティーのテーマは「The Future」だった。
なんでまた、と思うが、これはクラスメートによる以下のような提案の結果。
昔は未来のイメージというものを多くの人が(映画などを通じてにせよ)
持っていた。ピカピカの格好をし、空飛ぶスクーターみたいな乗り物でビルとビルの
間を飛び回る。3~40年前に人々が持っていた2010年のイメージはそんな感じだったん
じゃないかと思う。しかし実際はそんな世界はほど遠く、逆に人口爆発、資源枯渇、気候変動
などなど人間の活動そのものを脅かしかねない不確定要素が身の回りには溢れている。
現代人、特に若い世代にとっては昔ほど未来に希望が持てない、未来像がはっきりしない。
それなら自分が思う未来、というものをこのパーティーで表現してみよう!
歴史は繰り返す、だから未来人は80'sや60'sの格好をしているはずだ、という風に
考えてレトロなコスチュームで来るも良し、宇宙服のような格好をしても良し。
こんな経緯で、ゲストスピーカーの方にも「未来」というテーマに沿って話してもらった。
ちなみに僕はスキーのヘルメットと水中メガネを全てアルミホイルで包み、
古典的な未来スタイルで出席しました(笑)
今ちょうどレスター・ブラウンのプランB 4.0を読みかけていて「未来のイメージ」
について考えた。世界はこのままBusiness-as-usualを続けていてはダメ。
じゃあどんな世界にしていけば良いのか?ポジティブで大きなイメージ(Big Picture)を
常に持っていたいし、大事だと思う。本を半分くらい読んだところで自分のもつイメージ
と合わせて書いておこう。
例えば今から2~30年後の世界は:
・主要な都市間は高速鉄道で結ばれ、都市の内部においてもライトレール(LRT)、バス、
自転車が主な交通手段。現在のロンドンのように車が都市に入る為には渋滞税を取る。
その税金で更に公共交通インフラ、自転車レーン、歩道の整備をする。
大体どこの都市に行ってもレンタサイクルがあり、安全な駐輪スペースがある。
・車は全てプラグインハイブリッドや電気自動車。全ての家庭ガレージや駐車場は
スマートグリッドに接続されたコンセントを装備しているのでそれを通じて常時電力を
売り買いできる。もちろんそれらの電気は太陽光や風力など、化石燃料に頼らない
方法で発電されたもの。
・照明に使われる電球は全てCFLやLEDに置きかわる。それらの照明機器は全て窓ガラス
に内蔵されている光センサーや室内の人の有無を確認するセンサーと接続されているので
無駄な電力は一切消費されない(これは実際2007年に知り合いにNYタイムズの新しい
ビルを案内してもらった時に見せて貰った)
・街を流れる川は護岸工事された状態から元の生態系へ復元され、結果突発的な
洪水などの水害が減り、土壌のフィルタリング効果によって水質も改善される。
これによって(例えば日本なら)一時失われ欠けたメダカが見られるようになり、
他の昆虫類や鳥類も都市環境で生息可能になる。渡り鳥の中継地も多く確保される。
・ほとんどの建物が緑化された屋上に独自の雨水タンクを持っていて、
降った雨の多くは建物内のトイレの洗浄などに有効利用される。
また、現在コンクリート張りの街の舗装は多くが浸透性のもの(permeable paving)になり、
これにより更に水害は減る。おまけにヒートアイランド現象も改善。
・都市農業が活発に行われ、都市で消費する野菜の多くが都市内あるいは
近隣の郊外で栽培される。都市公園の多くは土曜日になればファーマーズマーケット
が開かれる。例えば札幌の大通公園など。これにより都心の小学校などにおいても
子供の食育が促される。
・地産地消、ローカリズム的な動きがある一方で、それがナショナリズムや
国際協力体制を阻害しないように人的な交流や情報の交換はより活発になる。
理想的にはなるべく多くの人がより多くの国に知り合いや友達を持つ。こうした
緩やかな人的ネットワークが結果的に国家間の紛争をなくしていく。
結論:未来は環境や自然と文字通り共生するようなスマートな世界になる。
そもそも「環境」という言葉は「外部的な」というニュアンスや意味合いを持つ。
その垣根を徐々に取っ払い、人間と自然がシームレスに交わる空間が結果的に効率的。
それは必ずしも環境「保護」という意味ではなく、テクノロジーと自然の力を
シナジェティックに利用する(例:自然光と窓のセンサー。結果的に電力消費減。)
クリエイティブかつイノベーティブな発想が一層大事になるだろうと思う。
全世界がこんな風になるには2~30年じゃもちろん無理だろう。
けど、先進国やemerging countriesと言われるような国なら不可能な話じゃない。
レスター・ブラウン曰く:"Difficult? Yes. Impossible? NO!"
よく言われるように、その気になれば戦時のようにあらゆるリソースをある
一点に集中させることが可能だ。「その気になれば」という大きな条件付きで。
自分が将来具体的に何をやりたいのかここ数年常に考えていて、あっちへ行ったり
こっちへ行ったりと考えは揺らぐばかりだけど、このような大局観を持って、自分が
少しでもこのような方向に貢献できる仕事ならば、民間・公共に限らず関われたらいいな、
と思う。実際やってみないと、いくら考えても自分に何が合ってるかなんて分からない。
自分は結構縁と流れで生きてきた(それでも"planning" schoolにいます 笑)今後も
そういう生き方になるような気がしますが、大きなイメージを失わないように気を付けたい。
追記:
これを書いていて、バークレーのknjさんの記事(http://mppryugaku.exblog.jp/9631827/)
を思い出しました。
雨の小道
7 年前
1 件のコメント:
面白いね!
こういう具体的なイメージを持つことって、多くの人が実際にそこに向かっていくためにはすごく大事だと思う。見過ごされがちなプロの役割だと思うな。
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