大阪のユニバーサル・スタジオの程近くに立つ大阪市環境局舞洲工場、という所を
ご存知だろうか。僕も今回ヘンテコ物大好きな大阪人の母親から教えられるまでは
知らなかったのだが、オーストリア人芸術家フンデルトヴァッサーがデザインした
大阪市のゴミ焼却施設だ。
USJと同時期に、しかもすぐ隣に建設されたので、当時はUSJだと間違えて入ってくる
車の列が出来た、という実話があるくらいゴミ焼却施設とは到底思えぬ奇想天外な建物だ。
実際目の前にしてみると、自分はチャーリーとチョコレート工場の世界にでも迷い込んだか、
という錯覚に陥る。
しかし大阪市、そしてフンデルトヴァッサーの狙いはまさにそこなのだ。
つまり、ゴミ焼却施設という周辺住民に好まれない物をいかに受け入れられ易い形で建てる
か、ということについてあれこれ考えていた大阪市が出した答えがコレだったのだ。
英語ではNIMBY(Not In My Back Yard [うちの裏庭にだけはゴメンだ])と言われ、
公共政策や都市計画の分野では常に議論になる問題だが、まさにout of the box thinking
の結果大阪市はこんなドハデで楽しいものを作ってしまったというわけだ。
ある意味大阪だから出来たことだという気もする。
バブルの時期に構想が始まったというこの建物は総工費610億円、デザイン料6000万円(笑)
大阪市民の評価は真っ二つに分かれるらしいですが、世界的芸術家である
フンデルトヴァッサーがデザインした建物は日本に3つしかなく、全てが大阪にある。
しかも、そのうち2つがこのゴミ焼却場と、隣に立つ下水処理場なのだ。今では大阪の
小学校4年生が全員この工場に社会見学に来るという。そのため外観だけではなく、
本来のごみ焼却施設としての機能を学ぶ工夫も至る所に施されている教育的場でもある。
僕も今学期ちょうど統合的資源管理を授業でやっていたので大変興味深く見学した。
ここでは焼却の際に出る熱で蒸気を作り、タービンを回し、発電を行なっている。
施設で使う電力は全て自前で発電しており(cogenerationと言われる)、それでも余った
残りの半分の電力は大阪電力に売却し、年間およそ5.5億円の収入を得ているそうだ。
また、粗大ゴミからアルミと鉄を回収し、業者に売ることによって昨年は8600万円の収入
があったとか。ガイドのおっちゃん曰く「デザイン料の6000万円は1年で回収できたって
こっちゃ(笑)」と言っていました。
もともと建築家である彼女に日本のキテレツ建築物を見せるために見に行った
のですが外観に限らず中身もとても面白かった。
見学に予約が必要ですが、オススメです!
予約は大阪市環境局のHPより(→大阪市環境局HP)
雨の小道
7 年前
2 件のコメント:
これだね!the designed 焼却炉!凄い...なんかむしろ、USJよりファンタジーを体験できそうだね。これの小さいバージョンが裏庭にあったらいいなぁ(笑)。是非いってみたいです。
凄いでしょ。ちょっと普通の自治体じゃ
考えないよね、こんなの。さすが大阪
って思っちゃったわ。
大阪に寄ったら是非!
ガイドのおっちゃんもおもろかったし。
コメントを投稿