2010/09/02

オーバーシュート

メルマガ登録している日経ECO JAPANの記事にもGFN関連の記事が
あったのでそのまま引用します。(→元の記事

足達英一朗 サステナブルな視点
自然がもたらす賦課量が赤字に転じた日

8月21日は、「自然がもたらす賦課量が赤字に転じた」節目の日となったという。
米国カリフォルニア州にある環境調査機関「グローバル・フットプリント・ネットワーク(Global Footprint Network)」が発表した。

彼らは、地球が毎年再生産できる資源の量を、自然がもたらす賦課量として算出し、
一方で人類が毎日消費していく資源と二酸化炭素を吸収するのに必要となる生物資源を
人間生活の需要量として算出して、比較を行っている。2010年は、1年間の賦課量を、
8月21日までの需要量で既に使い尽くしてしまったというわけである。
本来、一年分のはずの予算を9カ月足らずで使ってしまったという計算だ。

地球1個では足りない生活をしている

消費する食物や繊維を生産し、エネルギー消費から生じる廃物を吸収し、インフラ設備を
建設するために必要とされる土地の総面積は「エコロジカル・フットプリント」と呼ばれる。
これは個人単位でも、自治体単位でも、国単位でも、地球単位でも算出できるが、これを
世界の自然の資源再生能力と比較することで、すでに人類全体として見ても地球の生産能力を
超えた生活(地球1個では足りない生活)をしていることがわかっている。
ちなみに、過去「エコロジカル・フットプリント」は、世界の人々が日本人と同じ水準の
生活を始めたとすると、地球が2.4個必要になり、米国人のような暮らしでは5.3個にも
なるとよく表現されてきた。

「グローバル・フットプリント・ネットワーク」の計算は、これを「地球があと何個足りない」
というのではなく「1年間のうち何日分が足りない」というかたちで表現したものにほか
ならない。それにしても、この歳入と歳出のギャップ拡大のスピードには驚かされる。

赤字が始まったのは、そこそこ30年前ほど前のことだ。それが「自然がもたらす賦課量が
赤字に転じる」節目の日は、どんどん早くなり、2009年は9月 25日だった。それが今年は
計算精度の向上という理由もあるが、更に1ヵ月以上早くなった。また、人間生活の需要量の
うち、最も大きいのは温室効果ガスを吸収するのに必要となる生物資源で全体の半分以上を
占めるという。実際にはこの需要量が賄えないから、大気中の二酸化炭素濃度が上昇していく。

この団体のホームページには、個人のカーボンフットプリントを簡単に算出できるページ
があって興味深い。

それによれば、肉、魚、卵、牛乳、乳製品の消費はフットプリントを大きくし、国産品より
輸入品に依存していれば数値はより大きくなる。衣類、家具、電気製品の購入も
フットプリントの拡大要因だ。広い家に住んで、より多くの電気、ガスを使用すれば、
フットプリントを増大させる。自動車や飛行機の利用も同様だ。

一見ツケがきくから話は厄介になる

この発表を目にして、「日本の財政赤字と似ている」ことに気づく。赤字だといっても、
確かにすぐにカタストロフィーに見舞われるわけではない。「財政の赤字」も
「自然がもたらす賦課量の赤字」もツケを後世に先送りしているだけだ。
それでもどこかで、日々の暮らしを切り詰めざるを得なくなるときが来る。

ツケがきくことで最も厄介なのは、赤字を是正しようとしても、経済への悪影響を
懸念する声が一気に高まり、「赤字の是正」を全面に掲げる論調がタブーとして
封印されしまう点だ。

その結果、選択肢は狭まる。あるいは「皆で進めば怖くない」と開き直るしかなくなる。
特に景気が底割れしそうな状況下で、耳障りのよい環境・エネルギー分野の新成長戦略や
海外インフラ輸出戦略に注目が集まるのは当然のことだろう。
それに水を差すつもりは決してないが、それでも「自然がもたらす賦課量をいかに
大きくできるのか」「人間のフットプリントをいかに小さくできるのか」を足下で
見直していく作業を、決してないがしろにしてはならないと思う。

ちなみに、2006年の数字を用い、日本の国土だけを取り出して「自然がもたらす賦課量が
赤字に転じる」時期を試算してみると、本来1年分のはずの予算が2月いっぱいも持たない。
すなわち、ほかの国に肩代わりしてもらい、さらに過去のストックを取り崩して、帳尻を
合わせている姿が、そこから浮かび上がる。

2 件のコメント:

elhi_k さんのコメント...

先日、東京新聞の夕刊にもエコロジカル・フットプリンツについての記事があって、yuさんに連絡しようとしてたとこ。指導教官が提唱者なんだよね??
大学院選びをされていた2年前は既にエコがトレンドだったとはいえ、当時見つけてきたことがすごいなーと思いましたよ。

yk さんのコメント...

それって、この前の記事で僕が書いた
WWFのレポートじゃない?
そうっす、指導教官が提唱者。

当時なんで見つけたのか、今になっては
思い出せないんだよなあ(笑)