2010/01/31

はや2月

今日は早くも1月最終日。留学生活も6ヵ月目に突入。
ちゃんと2年で終われればの話ですが、早くも四分の一が終わったことになる。。

だいぶマシになってきたとは言え、相変わらずどんより曇り空の
バンクーバーです。今週は金曜日の授業が休講だったので四連休です。

今日はスキーに行く予定だったけれど、どうもコンディションがイマイチ
なようだったのでやめてのんびり+勉強の日に。昨夜はビジネススクールの
連中と一緒にうちの寮で飲み、そのまま深夜までオーストラリアン・オープン
男子シングルス決勝を観戦した。マリーには負け越しているので苦戦するかと
思いきやフェデラーあっさりストレート勝ち。どんだけ強いんだ。
父親としてメジャータイトルを取るのはアガシ以来だそうです。

サンプラスが残した生涯14個のメジャータイトル記録を追い抜いて以来今も
記録更新中。この人は史上最高のテニスプレーヤーとして間違いなく殿堂入りだろうなあ。


話は変わりますが、エルニーニョのせいでバンクーバーの1月の平均最高気温は
7度。記録を取り始めて以来最も暖かい1月だったそうです。去年は歴史的な寒さと
雪だったそうなので五輪が去年だったら良かったのにね。
以前ここにも書いたフリースタイルスキーの会場であるサイプレスは雪不足の為とうとう
乾し草を土台にしてそのうえに雪を盛っているらしいです。
ちなみにフリースタイルで上村愛子の最大のライバル、カナダのジェニファー・ハイルが
仮に金メダルを取れば、カナダで行われた五輪で初のカナダ人金メダリストになるそう。
まあハイルじゃなくても誰でもいいんですが、一応ハイルが最有力と言われているので。

カルガリー(冬)でもモントリオール(夏)でも地元のくせに1つも取れてなかったんですね。
それは意外だった。

2010/01/27

本当に世界一?

バンクーバーは「世界一住みやすい町」という称号を一応何年か連続で
手に入れてきた。確かにスキー場まで20分、ビーチまでも20分、多文化で安全で、と
言われれば頷ける。しかし、批判も当然ある。その主な対象となっているのが家の値段の
高さらしい。

つい昨日出たこの記事によれば、バンクーバーは「世界一家が高い場所」という称号も手に入れたらしい。

世界一、という割には調査対象が英、米、豪、加、ニュージーだけで、先進国だけなのは
まあ調査の目的から分かるとしても西欧・日本すらほとんど入っていない偏ったデータです。
まあそれはとりあえず置いておき・・・

「高い」の定義が実は額面ではなく、その町の平均的な世帯年収との相対的な値段らしいです。
Expesiveも相対的と言えば相対的だけどunaffordableと言ったほうがどちらかというと
ニュアンス的には近いかも?

バンクーバーの世帯年収中央値が58,200米ドル(520万円くらい)なのに対して家の値段の
中央値がなんと540,900米ドル(5000万円弱)だそうです。NY等もっと高い場所もある
けど、ウォールストリート筆頭に金持ちが多いので払えちゃう、ということでしょう。

この記事を見ていた同じプログラムのカナダ人が、「そういえば学部時代の教授が
定年後(アルバータから)バンクーバーに移り住みたいけど高すぎてムリって言ってた」
と言っていました。おそらく社会的に裕福な層に入るであろう定年後の教授が家買えない
んだったら普通の人はどんだけ厳しいんだ・・・。

サーモン

久々にご飯レポート。
今晩は余っていたアボカドを使ったサラダと、サーモングリル。
付け合わせの野菜はマッシュルーム、アスパラガス、赤ピーマンを
使った。あまり考えてなかったけど出来上がりは色のバランスがなかなか
良かったので一枚パチリ。

ワインが飲みたくなりましたがこれから読まにゃならんものがあるのでガマンガマン。

情報は美しい


気候変動が人的要因で起こっていることに賛成する科学者と反対する科学者(米国)


気候変動懐疑論 対 科学コミュニティのコンセンサス

気候変動のことを書きたかったと言うよりこのようなビジュアルを
作っているInformation is beautiful(情報は美しい)というHPをご紹介
したかっただけです。まとも/マジメなコンテンツを分かりやすくてお洒落に
加工してて好きです。こういうのうまく自分で出来るとプレゼンに役立つんだろうなあ。
グラフィックアートの分野なんだろうか。


Image Source: Information is Beautiful http://www.informationisbeautiful.net/

2010/01/26

五輪ピック

いよいよバンクーバー冬季五輪2010を約2週間後に控え、ようやくその足音が
聞こえてきた感じ。

アイスホッケーの試合が行われるスタジアムはうちから歩いて10分も
しないところにありますが、そこもセキュリティ上の理由から周辺の道路を
昨日から閉鎖。2月に入れば学内のバスも五輪に合わせて順路変更などを
余儀なくされるようで、授業に行くためにバスを使う人達は大分迷惑そう
(うちはキャンパス内ですが、バスに乗らないと行けないほどキャンパスが巨大)
僕は幸いいつも自転車通学なので不便は多少免れそうです。

先日もうちの1階にあるコーヒー屋で勉強していると五輪マークの
ユニフォームと帽子を被った人がお客さんとしてやってきました。
下見か何かのためにやってきたスタッフのようでした。

同じ学部の知り合いも何人かボランティアで働くようで、中には開会式と
閉会式でダンスに参加する、という人もいました。

今まで何度かあったチケット購入のチャンスは、もの凄い人がネットにアクセスして
サイトに行くだけでも大変だったようで、それを考えると面倒臭くなっていた。
ただ、いよいよ、となってきた今になってせっかくだからチケットを買っておけば
よかった、と少し思っています。まだウィスラーに行けばかなり安くバイアスロン
(クロスカントリースキーと射撃が一緒になったような種目)とかのチケットは手に入る
ようですが、うーん、あんまり興味のない種目に行っても・・・

ネットのオークションやチケット保持者から直接購入するサイトでは正規の値段
からもの凄いかけ離れた高額チケットが出まわっていて、昨日調べた範囲でも
スキー男子ダウンヒルは最高$2000(およそ18万円)、フィギュアスケートも
$750(6万円台)スタート。カナダで一番人気のアイスホッケー決勝にいたっては一番
いい席がなんと$10,000(約90万円)。。誰が買うんですか?

友人がリュージュのチケットを持っていて、行かないか、と言っているので
リュージュなら見てもいいかな、とちょっと思っています。ただ、あれって
定点で見てても一瞬だよね。他のレーシング系種目もそうだけど、実際テレビで見た
ほうが面白い気もしますが、生での迫力はやっぱり違うんでしょう。


全く関係ないですが、冬季五輪を2月にやって夏季五輪は8,9月にやるっていうのは
完全に北半球目線なんだと今日ふと気付きました。南北問題もあって現実的に
南半球の国の開催がそもそもほとんどないからあまり話題にならないものの、
今後南半球の多くの発展途上国がホストとなると北半球が真夏の時に冬季五輪
やるんでしょうか。

サステイナビリティ②

枯渇性資源である化石燃料などはサステイナビリティをどう計るべきか。
(石油も厳密に言えば"再生可能"だけど、ここはタイムフレームの問題)

前回の再生可能資源の「収奪スピードが再生産スピードを上回らない」という
ルールと似ていて、「枯渇性資源を使った分だけ同様の機能を果たす再生可能資源に
投資せよ」ということになる。

これは主にエネルギーの文脈で使われ、発電の為に石油を使ったら、同じだけの
発電能力を持った太陽光パネルなり風力発電なりの施設を作ることに投資する。
要するに会社であれば、枯渇性資源から得た利益の一部をR&Dに回して再生可能
エネルギーに投資せよ、ということで、まさに多くの会社がやっていること。
ただ、明らかに今は再生可能エネルギーに対する投資額が足りていないのが現実なんだろう。
会社のサステイナビリティを考えても、枯渇性資源に依存するのは危険なはずだけど・・・

先の米国選挙キャンペーンで大きく期待されていたオバマ政権のグリーンニューディールは
政府がここにテコ入れする、ということだったけどあまりそれ以来大きなニュースは聞かない。
その前に皆保険制度の話や失業率などの目の前の話で精一杯なんでしょう。


エコロジカル経済学という分野の草分け的存在である元世銀エコノミスト、
メリーランド大教授のHerman Dalyは、上記のルールを社会全体が負担する制度
としてNatural Capital Depletion (NCD) Tax(自然資本減耗税?)という税金システム
を提唱している。エネルギー会社が独自にR&Dをするのもありだけど、エネルギーの消費者
である社会の構成員一人一人から税金を徴収して再生可能エネルギーに投資する仕組み。

といより自然資本、というからにはエネルギーに限らず、なんでも自然由来の資源は
使った分だけ戻す、その費用を徴収する、というアイディアだろう。
例えば材木に利用した分だけ植林の費用がいるので、それを税金として課す。

本来社会が払うべき費用を内部化する、という意味でそれぞれの商品の値段を
公正な値段に引きあげるのとアイディアの構造的には一緒だと思う。


エコロジカル経済学の授業より
(Seminar on Ecological Economics)

2010/01/25

ウィスラー動画

先々週末来てくれた高校の友人が写真と動画をまとめて送ってくれた。
彼のカメラを借りて動画を撮ったので、ご紹介します。
厳密に言うとウィスラーじゃなくてブラッコムですが、この日はあまりに天気が良くて
綺麗だったので撮ってみました。さすがにホンモノよりは劣りますが景色を楽しんで下さい。




持ってたトランシーバーがピコピコうるさい(笑)

2010/01/24

目分量のススメ

今日はいつもの欧州組とウィスラー。新しく雪は降っていなかったが
一週間寒さが続いていたので雪質は○

帰宅して適当に野菜炒めを作って食べていると、スキーに一緒に
行ったいつものスイス人O君登場。スーパーでインゲン豆を買ったけど
スイスでは使わない食材だからどう調理していいか分からない、教えてくれ、という。

インゲンねえ、茹でてマヨネーズつけるか炒め物にでもしたら?と
言ってもあんまりピンと来てない様子。
料理は好きだけど、ばりばりスイス大好きのヨーロッパ人なのでアジアンな料理は
基本の「き」の字も知らないようだ。

という訳で急遽即席炒めものレッスン開始。
確かにヨーロッパ人ってあんまり炒めものとかしないのかもねえ、なんて
話をしながらとりあえず手持ちのインゲンと玉ネギで炒めものを作ることに。
インゲンは水をかけてレンジでチンして予め少し柔らかくした。

調味料は僕が鶏ガラスープの素と醤油を提供し、あとは塩こしょうとニンニク。

僕:「炒めものはスピードと思いっきりが大事です。
   はい、じゃあまず中華鍋をマックスに熱して油をひいて!」

O君:「油はどれくらい?何デシリットル?」

僕:「(笑)そんなん適当でいいんだよ適当!」

O君:「これくらい?(ドボドボドボ・・・)」

僕:「イヤイヤイヤ(汗)それはいくらなんでも入れすぎでしょ!
   それじゃ炒め物じゃなくて揚げ物になっちゃうって!」

O君:「だからどれくらい入れるか聞いたんだよ。チーズフォンデュもね、適当に
    作ってるように見えて実はバランスが大事で、白ワインXXmlに対してヴァシュラン
    とグリュイエール半々をXXg入れて、それからトウモロコシ粉を入れて・・・etc」

僕:「はいはい、分かった分かった、いいから早くやろう!スピードが大事だって
   言ったでしょ!はい、まずニンニク!」

と、こんな感じのやり取りを続け、隣りで見ているとあまりに遅いのでとりあえず
今回は横で見ててもらうことに。

ニンニクを入れてちょっと炒めてからすぐにインゲンと玉ネギを突っこみ、
ジャンジャン音を立てている間に調味料を入れてほんの2分くらいで調理終了。

目を丸くして唖然とした様子のO君。
「なんてエフィシェントなんだ!レシピを教えてくれ。
調味料はどれくらい入れるんだ?」

「今見てたでしょ?適当適当!」

ずっと横で見ていた中国人は笑いが止まらない。
まあ確かに炒めものごときで感動されたら中国人はおかしくてたまらないんだろう。


普段茹でたりオーブンでグリルしたり、とゆっくり時間をかける料理を
することが多い上、分量をきっちり量る性格なので、適当・目分量でスピーディーな
アジアンスタイルにえらく感動したようだ。


最後にO君がぼそっと一言。

「僕は細かいこと気にしすぎて早く効率的にやるのが苦手なんだよねえ」


うん、僕もそう思うよ。

無器用でウンチクが多いけど憎めないキャラのO君でした。

2010/01/23

春休みの予定

UBCでは毎年2月に1週間だけ学期途中の中休みがありますが、今年はそこに
ちょうどオリンピックが被るので、特別に通常の2倍の長さの2週間の休み
があります。この前学期が始まったのにまた休みが待っていると思うと
みんなちょっと勉強に本腰を入れれない様子。僕もそうです(笑)

オリンピックのチケットを持っている人は別として、特に地元民は
騒がしさを逃れてどこかに旅行に行こう、という人が多い。
オリンピックの盛り上がりを体験できる機会というのはそうそうないので
僕はバンクーバーでその熱気を感じたいと思いますが、実際2週間もあるので
半分くらいはどこかに旅行に行きたいなあ、と思っていた。

行き先の候補としてBC州内陸、バンクーバーとカルガリーの中間くらいに位置する
Revelstoke(レベルストーク)というスキー場に行きたいね、と友達と話していたのですが
つい先日メンバーもかたまり、宿も取り、2/21~25という日程で行くことが決定!
移動に行き帰り1日ずつ、中3日は毎日滑り倒す、というプラン。メンバーはプログラム
の知り合い男2人と女3人。ボーダーとスキーヤー半々の予定。

Revelstokeは知る人ぞ知るスキー場で、2007年にリゾートとしてオープンするまでは
ヘリスキーやキャットスキーのメッカとして知られていた。現在もまだリゾート開発
の途中ながら、ベースと山頂の標高差がなんと1800m近くあり、この数字は北米一だそうだ。
よって必然的に至る所が急斜面で、なんと上から下まで滑ると10km近い上級者コースが
あるそう。初心者コースもあるけど、急斜面をウネウネ迂回しながら降りることになるので
15km滑らないと下に辿りつけないらしい(爆笑)
ウィスラーは標高差1400mくらいで、上から下まで滑ったらクタクタになるのにそれを
上回るんだから凄い。

確かに上級者コースを意味する黒コースが異様に多い。

ヘリスキーのメッカだけにパウダーがウリなので、2月後半でも激パウの日に
当たることを期待。今から待ち切れません。ウズウズ。


明日はまたいつものメンツと日帰りウィスラーに行って来ます。

2010/01/22

サステイナビリティ①

サステイナビリティを考える際に大事なのはストックとフローの考え方。
経済学では生産要素を土地・労働・資本という風に言うが、これは言い換えれば
Natural capital(自然資本), Human Capital(人的資本), Financial Capital(資本財)
という風に全て何らかのcapitalであると言える。

最近マインドマップのフリーソフトをダウンロードしたので試しに遊んでみた。

これらは全てストックであり、いわば元本に当たる。サステイナビリティの条件の
大事な柱が、ストック(元本)を食い潰すことなくフロー(利息)だけで生活する、という
こと。

例えばある魚のストックが一定以下に減らないような漁業や、同様に一定の
ストックを確保した林業などがサステイナブルであると言える。これをもっと
一般化すると「収奪スピードが再生産のスピードを上回ってはいけない」という
言い方になる。

理論的に言えばある魚の個体群がその数を維持する為の最低条件は、稚魚2匹が生き残って
親魚の個体数をreplaceする、ということ。これが連続して起こればその個体群の大きさは
変わらない。もちろん魚が成長する過程で他の天敵に食われたり、病気にかかったり、
それこそ人間に釣られたりして大半は生き残らないので、それを勘定に入れた上で魚は
卵を大量に産むようになった。人間は(先進国の場合)人口維持のための出生率が確か
2.2人くらいだった気がするが魚は数十万なんだろう。

人間の活動が魚の個体群維持にさほどの影響を及ぼさない範囲であった時代には、
魚にとって人間はあくまでも「天敵の中の一種」としてカウントされていて、
たまに運悪く網に捕まってしまってもそれは魚的には「想定範囲内」という感じ
だったのだろう。「想定範囲内」ということは、人間が多少釣って食べても、
しっかり次の世代が親世代と同数あるいはそれ以上の個体数を残せる、という
ことで、まさにその個体群が産み出す余剰、フロー、利息を頂戴している形になる。

しかしトロール船などで大量の魚を根こそぎ捕まえてしまえるようになった今の時代
話は別で、もはや個体群がその大きさを維持するどころか次世代のストックを産むはずの
親魚がどんどんと人間の食卓に並ぶようになってしまい、個体数は減少の一途。
これはまさに「ストックの食い潰し」そのもので、サステイナビリティの条件を満たして
いないことになる。

こういう風に見ていくと魚の乱獲、森林破壊、生物多様性の減少、石油枯渇などなど
現在あらゆる資源利用は到底サステイナブルと言える状態ではない。

石油は枯渇性資源だからしょうがないじゃないか、となるが、枯渇性資源の
利用にもサステイナビリティの条件がある。これはまた次回書こうと思う。


エコロジカル経済学の授業より
(Seminar on Ecological Economics)

エコロジカル経済学

サステイナビリティ(持続可能性)という言葉はここ数年で日本でも
しょっちゅう聞く単語になってきました。日本以上にこちら北米ではよく
聞く言葉で、もはや日本の「エコ」と同様に流行り言葉と化して濫用されて
いるように思います。なんでも「サステイナブル」と書けば何かよく分からない
けどとりあえず良いことをしてまーす、というような軽いノリで使う企業や
団体が多い。

「サステイナビリティ」,「持続可能性」の最もよく知られた定義はブルントラント
レポートの「将来世代のニーズを損うことなく現在世代のニーズを満たすこと」
という行だと思います。文字どおり人間がこれからも地球上に持続的に存在できるように
するためには人間のあらゆる活動がサステイナビリティの条件を満たしていなければ
なりません。しかしサステイナブルである条件ってなんだ?と厳密に考える機会は
なかなかないのではないかと思います。

「将来世代のニーズを損うことなく現在世代のニーズを満たすこと」というのは
考え方としてはよく分かるけどもでは具体的にどういうクライテリアを満たす必要が
あるのか。それを理論的に考えるのがエコロジカル経済学という分野で、今学期
セミナーとして受講している授業の主題。よく環境経済学=エコロジカル経済学と
誤解されますが、全く考え方は別物です。環境経済学は新古典派のミクロ経済学の
考え方を環境面に応用した経済学の一分野ですが、エコロジカル経済学はむしろ
生態学や物理学(エントロピーの考え方など)などのphysical scienceをベース
とした比較的新しい学問分野で、現在のメインストリームに対するアルタナティブ
として野党的ポジションから新古典派にかなり食って掛かっています。

授業が始まって三週目ですが、大分サステイナビリティの厳密な意味を理解
出来たきた気がします。分かったときに書き残しておくのが一番なのでこれから
ちょくちょくエコロジカル経済学、サステイナビリティについての独り言を書いて
いこうと思います。

2010/01/20

幹事

僕の所属するSCARPには学生で組織するPlanning Student Association(PSA)
というものがある。様々なイベント、シンポジウム、新入生のオリエンテーションなんかを
企画する学生団体のようなもの。その他にも、学部の建物に必要な物品の購入を
行ったり、学部のアドミニストレーションとのリエゾンのような役目も果たす。

つい最近世代交代の選挙があり、二年生から我々一年生にこの役目が回ってきた。
学年の三分の一くらいの人が何かしらの役職に就くのだが、これを決めるのは
まずは立候補。同じ役職に必要以上の人数がいれば投票(今年はその必要がなかった)、
埋まらないポジションについては誰かを推薦することになる。

僕は特に何もやらないつもりでいたのだが、最後までSocial Coordinatorという
ポジションが決まらず、何故か僕のところに話が回ってきて、やる羽目になって
しまった。

「大して仕事ないしみんなで手伝うから!しかもyuにぴったりだよ!」
とかいつにもなくお世辞を言われ「うーん、じゃあ・・・」と言った途端
「決定!イエーイ!」という感じで、半ば強引に担ぎ上げられてしまった。

で、このSocial Coordinatorとはなんぞや、となるわけですが、凄く簡単に
言えば学部でやるイベントの幹事。場所決めて、予算決めて、保険かけて、人呼んで、
とまさに仕事内容を列挙すれば「幹事じゃん」となる訳です。


早速今日はPSAの最初のミーティングがあり、近々第一発目の大きなイベント、
Fund Raisingを企画せねばいけなくなりました。PSAの予算は学生から集める年会費と
Fund raisingで集めたお金で成り立っていて、このfund raisingというのがかなり
大きな部分を占めているので大事なのだそうです。

Fund raisingという言葉は日本ではあまり聞かないですが、こちらではかなり頻繁に
聞く言葉。要するに何かの目的の為に資金調達が必要で、その趣旨に賛同してくれる人に
ただ募金をお願いするのではなく、何か楽しいイベント等を企画して利益を出し、
その利益が結果的に寄付金となる。
日本ではチャリティーが最も良く聞くfund raisingだと思います。


ってな訳で大人数が入れて、コストがかかりすぎず、みんなが楽しめ、
できるだけアクセスのいいような場所をまず探し、できるだけ多くの人が来れるような
日にちを選ぶ。こういうとこから始まり、開催場所との交渉や当日のマネージメントなど、
なかなかやることは多そう。しかもここでちゃんとお金が集まらなければPSAの予算に
モロ響くので責任重大。

・・・楽じゃねーじゃん!!

と思いましたが、引き受けてしまったからにはしょうがない。
やるからにはちゃんと企画して良いものを作りたいと思います。
おまけに前任者がかなり適当だったので今まで不満が多かったらしく、
今年は期待してるよ、というようなコメントも頂きました。
気分はブッシュの後を引き継いだオバマさん。

まあなんだかんだ色々社会勉強になるだろうと思うので勉強の支障にならない
程度に頑張ろうと思います。

2010/01/17

週末スキー

土日を使って高校の友人とウィスラー・ブラッコムへ行って来た。
三週連続、今シーズン10回目のスキー。

今週は一週間で合計126cmものパフパフの軽雪が降っていたのでコンディションは
これ以上ない状態だとは分かっていた。しかし行ってみると更にお天気まで最高。
パウダー+快晴というevery skier's dreamとも言える最高の日に当たった。
まあそういう日は大概みんな同じことを考えているものなので、これもまた
予想通りもの凄い人出。リフトが毎回30分待ち、朝一の頂上行きのリフトはなんと
45分くらい待った。基本的にリフト待ち0分の北海道スキーに慣れきった体には
これは少々キツかった。今週末はアメリカの三連休でもあったので、恐らく今シーズン
一番の混み具合だったのでしょう。






ゲレンデにいる人達はみんなニコニコ。至る所で雄叫びを上げている人達がいた。

ちょうど朝一の頂上行きのリフト待ちをしている時、既に上まで上がった人達が
雪煙を上げながら降りてくるのがよく見える。その中で何人かはパウダーであることを
いいことに崖からジャンプをしていた。リフト待ちをしている人から丸見えなので
みんなヒューヒューいいながらストックを鳴らして盛り上げる。こういうノリの良さはさすが。


クリックしてでかくして見ると飛んでる人が写っています。
拡大版

写真の崖は10m超だったけど、この更に上に20-30m級の崖もあり、そこを
飛ぶ人も数人。その時はリフトの列の人達はもの凄い盛り上がり。ちゃんと着地
出来ている人は誰もいなかった上、中には着地後そのまま4~5回転して30mくらい
転げ落ちている人もいた。その度に聴衆は大笑い&大拍手+口笛(笑)
あれを飛ぶのは相当な勇気とクレイジーさが必要。滞空時間が数秒もあった。
考えただけでオソロシイ。


2日目の今日(日曜日)も、夜のうちにまた降った雪のお陰で完全にゲレンデは
リセット。2日連続で極上パウダーを味わうことができた。天気は若干土曜日よりも
悪かったが、午後からはパーッと陽が出てきてあたもや快晴。最近なんか良い行い
したっけ?!

しかし今日はプチアクシデントも。例の崖だらけのSpanky's ladderを再び
滑りに行ったとき。前回2回滑っているので崖の位置や斜面の地形は頭に入っていた。
気持ちよくパウダーを飛ばして滑っていた時、急に地面が消えた。
「アレ、ジメンガナイヨ」と思った時には時既に遅し、小さいコブに乗りあげて
飛んだだけかと思っていたら一向に着地しない。ヤバイ・・・これはやってしまったか。。
と思った瞬間ドスン!ともの凄い衝撃でパウダーに着地。身体半分雪に埋まった状態で
後ろを見返すと、6~7mの雪の壁。

なんとこの一週間の大雪と強風のせいで巨大な雪庇(せっぴ)が出来ていたのです。
雪庇とは↓の写真のように強風で飛ばされた雪が吹き溜まりになって出来る物で、


主に稜線沿いなどに出来ることが多い。これを踏み抜くと雪崩になることが
多いので、バックカントリーや冬山登山では要注意。しかし僕が落ちたのは
斜面のど真ん中にあったうえ、斜面も雪庇もまっ白なので起伏が見えず、
そのまま落ちてしまったという訳です。恐らく小さな岩の上に出来た雪の塊
の上にドンドンと雪が吹き付けられて成長したんだと思いますが、前回そんな
物はなかったので完全に油断していたのでした。幸い何が起こったのか分からず
そのまま超脱力状態で落下したので全く怪我は無かったのですが、着地の衝撃で
若干肩と首が軽い鞭打ちのような感じ。でも大したことはないです。

飛んだ後の気分はFred Syversen。スキーのプロモビデオ撮影中にコースを間違えて
107mの崖を落下してしまい、なんと意図せず世界記録を樹立してしまったノルウェー人。
その人も奇跡的に無傷だったそうです。彼が落ちた落差とは比べ物になりませんが
この動画を思い出してしまいました(笑)



とにもかくにも視界が良くてもこういう事はあるので常に気を付けようと思いました。

2010/01/15

再会

今夜から高校時代の友達が遊びに来ます。
と言ってもお隣のワシントン州内陸から運転して来るので軽く5,6時間かかりますが。。

彼とは最後に会ったのが2年前。その時はポートランドでしたが、
高校卒業以来会ったのが3,4回で、そのうちほとんどが海外という(笑)

高校を卒業してそのまま国外逃亡した友達がたまたま身の回りに多い、
というのもありますが、普通に考えてもうちは県立高校にしては異常な数
が留学していると思います。最近は割と全国的に増えてきたらしいですが。

初バンクーバー&カナダだと言うので、早速明日から土日を使って
ウィスラーへ行って来ます。先週は暖かくてグチョグチョでしたが、
昨夜ドカ雪で50cm超降ったらしいので明日は期待大です。日曜はうちの
寮の連中(例によってO君とAちゃんの欧州組)も行くらしいので現地合流の予定。

こちらに来てから初のお客さんですが、やはり嬉しいものです!

2010/01/13

イライラ

ここ何日かは度重なる郵便関連のトラブルでストレスフルな日々を過ごしています。

ことの発端は冬休み中に家を空けていた間、どうやらどこかの運送会社
が僕宛の荷物を届けにやってきたらしい、ということを数日前に友達に聞いたところ
から始まった。彼曰く、うちの建物の入口のメインドアにUPSだかFedexだかの
不在通知書のような張り紙があり、僕の名前が書いてあった、と言う。
そこで剥がしてくれれば助かったのだが、次の日見たら無くなっていた、と言うのだ。

これでは誰が来たのかも分からないし、そもそもどの荷物が来たのか分からない
ので追跡番号も分からない。どうしようもない。

確かにネットで頼んだテニスのガットがあり、それだろうと思ってメールを調べてみたら
UPSの追跡番号が見つかった。早速UPSのサイトで履歴を調べてみると・・・

「送り主へ返送」というメッセージ。そんなバナナー!!!

三回届けに来ても不在なら5日間保管の上送り主に返送、というポリシーらしい。
また面倒なことになった、と今度は電話をかけて事情を説明。どうやら
ネットでは返送したと書いてあるけど、まだバンクーバーの港の倉庫に
眠っていらっしゃるとのこと。それなら再度届けてくれ、と伝え、指定である今日の
午前中9時から12時の間、家で待っていた。11時半になっても来ない。12時を過ぎても
来ない。こちらは授業があるのでこれ以上は待てない。再びUPSに電話し、
「ちょっと、あんたんとこ指定の時間に来ないんだけど」と文句を言う。
しばらくして折り返しの電話が来て、「今日の午後6時以降に届けます」と言う。

授業から急いで帰って部屋で待つ。うちの建物はセキュリティ上入口に
インターホンがあるので、それを鳴らしてもらう為にはこちらがずっと部屋で
スタンバっていないといけない。共同キッチンは部屋とは異なる場所にあるので、
晩ご飯を作りにも行けない。しかし、8時になっても来ない。諦めてご飯を作り、
現在9時半ですがまだ来ない。というかもう今日は来ないんだと思います。

なぜー!なぜ荷物を届けることが本業なのにそれすら出来ないの?!と
ホント今日はイライラ。

しかも実はこのストーリーはここで終わりではない。実は友人が目撃
した不在通知書には荷物が複数書いてあった、というのだ。どこまで確かな
のかはちょっと怪しいけど、それが本当ならこの荷物以外にも別にあるという
ことだ。しかし、他にネットで物を注文した覚えがない。唯一思い付くのは、
しばらく前に故障交換のために送ったBOSEのヘッドフォン。新品と取り替えて
返送してくれる約束だったので、そろそろ時期かな、と思った。

そこで数日前、BOSEに電話をかけ、事情を説明。もしかしたら御社からの
荷物かもしれないので、もし既に発送済みなら運送会社と追跡番号を教えてくれ、
と頼む。すると驚愕の返答。

「そもそもそちらから故障したヘッドホンがうちに届いた記録がありませんよ」

・・・え?1ヶ月以上前にエクスプレスメールで送ったんですけど。。

「追跡番号で調べて下さい」と言うが、そんなものないので調べようがない。
どうやらCanada Post(カナダの郵便局)がどこかで紛失した模様。あるいは
BOSE側の記録が何かの手違いで更新されていない。いずれにしてもこちらは
手の打ちようがない。。確かに、BOSE側からは追跡ができるUPSかFedexを利用して
送られることをオススメします、みたいなことを言われていた。ただ、高いしまあ
大丈夫でしょ、と思ってキャンパス内で一番手っとり早いCanada Postを使ったのだ。
それがまさかまさかの・・・
BOSEのカスタマーサービスの良さに感心したばかりなのに、これでは新品交換
は不可能だ。。


という訳で、こちらから送った荷物は届かず、受け取るはずだった荷物も
届かない、というダブルパンチを食らい、現在少々萎え気味です。

こういう日常のトラブルはこちらにいるともの凄く頻繁にあり、その度に
超ハイスタンダードの日本のシステムを知っている者としてはかなりの
ストレス。しかも別に途上国にいる訳ではなく、一応バリバリ"先進国"の
カナダです(その意味ではアメリカも全く同じです)。


僕は家族もいるし、帰属意識は絶対日本にあるので、今のところ将来絶対日本に
住みたいと思っていますが、人によってはこういう日常のサービスのだらしなさだけで
十分こっちに住めない理由になるんじゃないかと思います。僕も理由の1つだと思います。
金を払ってるのにお粗末な上、失敗しても全く謝ろうとしないのが更に
腹が立つ。小さい事だけど積もりに積もるとズシズシ効いてきます。


昨日読み終わった寺島実郎さんの本の「おわりに」に「海外で暮らすほど人間は愛国者になる」
という言葉がありましたが「ホントだよ」と早速思いました。
日本は日本で色々悪い所もありますが、さすが国土が狭くて資源のない国、それでも
のし上がってきたのは改めて人の勤勉さと正確さだと思いました。
日本の宅急便は素晴らしい。


こっちも日本なんかより良いところは一杯あります。誤解しないで下さい。
ただ、今日はとことん悪口を言わせて下さい。。。

ウガンダからの手紙

さきほど郵便箱を開けると、巨大なヘビの切手が2つ貼ってある
ヘロヘロの封筒が目に入った。

ウガンダにいる高校の同級生からの"クリスマスカード"だった。
消印は12月9日、封筒1つをカナダに送るのに実に1ヵ月以上もかかっている
ことになる。

彼女のブログはここからもリンクしているけど、苛酷な環境でボランティアとして
働いていることにただただ脱帽。国際協力の場で活躍する人は女性がとても多いけど、
彼女らのたくましさと適応能力は本当に凄いと感心。

彼女のボランティア先の学校では、給食として出しているとうもろこし粉が
近年の穀物市場の高騰を受けて学校経営を圧迫しているということで、自分達で畑を
耕して作ることにしたそうだ。その収穫や精製に必要な費用を寄付という形で
募っていて、今回のお手紙はそのお知らせでもあった。

バンクーバーで温々と生活してて資金援助だけするなんてどっかの政府みたいで
ちょっと感じ悪いですが現実には僕が現在できる事はその程度なので少額ながら
ご協力させてもらうことにしました。将来すくすくと育ったとうもろこし畑を
この目で見られれば、と思っています。

「腹が減ってる人に魚をあげるより釣り方を教える」という言い回しが
ありますが、このプロジェクトもそれに近いような気がします。

ナイスアイディア、yuiko!

読んだ本読んでる本

ここ2週間くらいで読んだ本

『動的平衡』福岡伸一 ★★★★★

・面白い!オススメ!

『日本辺境論』内田樹 ★★★☆☆

・期待していたよりはちょっとつまらなかったので三ツ星。

『世界を知る力』寺島実郎 ★★★★☆

・初寺島本。勉強になるし面白い。「ユニオンジャックの矢」にはビックリ。

『アフターダーク』村上春樹 ★★★☆☆

・村上本二作目。不思議なストーリー。「え?!で?」と思うとこもアリ。

今読んでる本

『インパラの朝』中村安希
『Hot,flat and Crowded』Thomas Friedman
『Common Wealth』Jeffrey Sachs

2010/01/12

地球温暖化、と言わないワケ

お天気シリーズ第三弾。

エキストリームな気象現象好き、という話を書きましたが、
まさに気候変動はそういう現象をもたらすものだと思います。
(別に気候変動が起こって欲しい、と言ってるワケじゃないです笑)

"The World is Flat(フラット化する世界)"の著者として有名な
Thomas Friedman氏の最新作"Hot,flat and crowded(グリーン革命)"
を今読みかけですが、彼もこの本の中で「Global Warming(地球温暖化)」
という言葉は世界が徐々に暖かくなってくる、という肯定的ともとれる
表現で、誤解を招くと指摘しています。
(「2月にゴルフできるぜ!」というニュアンスで捉える人が多い、という例を挙げていました)

実際は局所的な大雨や大雪、あるいは異常高温や異常低温なんかが多発し、今までの
パターンでは予測できなかったような極端な天気があちこちで起こる、という
ようなイメージの方が正しく、言い換えるとすれば「Global Weirding(地球奇妙化(?))」
と表現した方が正確だ、とFriedmanは書いています。ただ、アカデミックな世界では
「Climate Change(気候変動)」が最も一般的です。
僕も地球温暖化という言葉は久しく使っていないし、意図的に言わないように意識しています。

ただ、気候変動というと気候は常に歴史的に変動してきたじゃないか、と
言われるかもしれませんが、それに関してもFriedmanはClimate Variabilityと
Climate Changeという異なる概念を使ってうまく説明しています。
Variabilityはいわばある一定範囲内での「バラツキ」で、Changeは根本的な
気候システムの「変動」、つまり異なる平衡状態に移ってしまうような大きな
システム的変化を意味します。


この文脈で、近年よく聞く冬の欧州/米国東海岸の大寒波について考えていて、
学部時代気候システムの授業で習った大西洋の熱塩循環(Thermohaline Circulation)
のことを思い出した。この授業の期末ペーパーとして書いたトピックでもあります。

熱塩循環とは、メキシコ湾から北大西洋に暖かい海水を送るポンプのような役割を
果たしている海流のこと。海流の北端であるグリーンランド近海で冷やされた塩分濃度の高い
海水がその重みで海底に沈みこむことによってベルトコンベアのような海流全体を動かす
エンジンになっている、というもの凄いスケールの大きな話です。


ところが最近そのグリーンランドでは氷床の溶解が進み、近海の塩分濃度が下がり、
結果的に海流を動かすエンジンが弱まり、メキシコ湾からの暖かい海水が北大西洋に
届きにくくなっているのではないか?と言われています。

この海流が止まると、北大西洋に面する欧州や米国東海岸は一気に寒冷化する、
というシナリオがあり、ひと昔話題になった『デイ・アフター・トゥモロー』
という映画のもととなった概念です。あの映画はあまりに極端だとしても、
どうやら気候モデルの研究者の間では、熱塩循環停止→寒冷化というシナリオ
はSFでもなく、現実に起こり得る、というコンセンサスがあり、気温上昇に
対するネガティブ・フィードバックの典型例のようです。

実際、8000年前に起こった「ヤンガー・ドライアス」というプチ氷河期も
コイツのせいだと言われています(海底地層など様々な異なる研究結果を引っ張って
来て、この説は有力である、というレポートを書きました)。


最近の欧州/米国東海岸の寒波(今年だけじゃなく去年か一昨年もあった)が
この熱塩循環のせいだ、と言うにはあまりに早すぎるしデータ不足でしょうが
後から振り返れば・・・ということになる可能性は無きにしてもあらず、という
気はします。そのうちそういう論文が出るかもしれませんね。既に出ていたら
教えて下さい。

お天気の話

1つ前の投稿と関係して引き続きお天気の話。

あまり人に言ったことはないかもしれませんが、昔から自分は何故かお天気マニアです。
別に天気図を見るのが大好き、とか言うタイプではない(そういう人はそういう人で
相当数いると思う)けど、天気予報をずっと見てても飽きない。
夏には大体その日の国内最高気温は把握してるし、冬になれば逆にその日の
国内最低気温も知っていることが多い。大雪のニュースなんかも大好き。
要するにそういうエキストリームな気象現象に説明できない魅力を感じる、
一種のオタクです。もっと簡単に言うと変態です。

カナダにいても横浜の気温と天気、札幌の気温と天気は常にチェックするし、
時々ロシア(オイミャコンとかベルホヤンスク)やアラスカ(フェアバンクス)の予報
なんかも見たりして「最高気温マイナス38度かあ。」なんて言いながら1人でワクワク
している。

今まで生きてきて、「コイツは確実に自分と同じ種類の人間だ」と思った人が
1人だけいる。中学の同級生で、彼とは何故か本当にぴったりとこのフェチが
合致していて、朝の挨拶変わりに「今朝5時のアメダスで北海道江丹別は-35度だったね」
とか「昨日の24時間降雪量は群馬の水上町藤原と福島の桧枝岐村で120cmだって」なんて
会話をしていた。まあ今考えても変な中学生だ。


自分は熱狂的な鳥好きでもあるけど、これもまたなんで好きなの?と聞かれても
よく分からない。ちなみに鳥と天気の他にも、小学生の頃アメリカにいた時は
熱狂的なビーバー好き、鮭好きになったこともあります。この2つはちょっと
冷めてしまいましたが、未だに見ると興奮します。



人間って不思議ですね(適当な結論でスンマセン)

暖冬と五輪

昨年末から日本、アメリカ東海岸、欧州と揃って寒波に見舞われて
いるようですが、こちらバンクーバーでは11月後半~12月初旬に
一度強い寒波と山では大雪が続いていた時期がありましたが、それ以来
ちょっと拍子抜けの暖かさが続いています。

先週から今週にかけては特に暖かく、連日最高気温は10度くらいまで
上がっています(多分平均は5度くらいだと思います)。
この連日の暖かさのせいで、数日前に行って来たウィスラーでは標高1600m
くらいでやっと雪に変わったものの、下はほとんどミゾレか雨という状態。

ウィスラーは確かに滑走面積は凄いし滑るのにはとても面白い山ですが、
やはり改めて北海道は標高が比較的低いにも関わらず常にかなりハイレベルな
パウダーが期待できる場所として世界トップレベルだと実感。ウィスラーは
それに比べると「良いときは最高だけど不安定」、という印象です。

オリンピックをちょうど1ヶ月後に控えたこの時期に山で雨が降っている、
という話題を出すと、競技開催に支障はないのか?!と当然思いますよね。
ウィスラーはまあなんだかんだ大丈夫そうですが、それより心配なのが
バンクーバー近郊のCypress。スキーのフリースタイルやボードのハーフパイプ
が行われる場所ですが、案の定ここ数日の大雨の影響でクローズしてしまいました。

開催側は想定範囲内だ、と余裕ぶっこいていますが、正直ちょっとこのままだと
まずいなあ、と思っていると思います。確かに膨大な量の人工雪と他から運んできた
天然雪があるので競技自体はできると思いますが、雨の中のスキー観戦なんて
かなりテンションダウンだし、選手のパフォーマンスにも影響するのでは。

2000年最初のデケードを象徴する「気候変動時代の冬季五輪」、なんて言われたりして。

2010/01/07

気付けば

日本では菅さんが「円安が望ましい」と発言して物議を醸している、という
記事をネットで拾い読みしましたが、実はカナダドルも冬休みの間ちょっと
目を離した隙に90円になっちゃったじゃないですか。
しばらく80円台前半だったのに。。今後景気が回復傾向である限り、資源国カナダの
通貨は値上がりする一方なんだろか。困ったなあ。

円高が望ましい!

学問

院生になって変わったと思うのは、ちょっとしたペーパーを書く際にも
あたる文献の数が増えたし、セカンダリーソース(本とか)ではなく
プライマリーソース(主に論文)に頼ることが圧倒的に多くなったことか。
学部時代は図書館で本を探すことが多かったけど今はパソコンで論文のpdf全文
を探そうとググってることが大半。

あとは、論文らしいストラクチャーというか、紙の上で論理的に議論を展開する、
ということも多少はできるようになってきた気がする。英語という言語はやはり
ロジカルな文章を書きやすいんだな、と思う。

多少は進歩してるんかな・・・


どちらも学問をやる者として基本的なことだと思うけど、恥ずかしながら
今までちゃんと出来てなかったし、まだまだだと思う。ただ、これは個人的な
訓練不足もさることながら、日本の大学の学部教育がこういう基礎的なトレーニングを
組織的に叩きこんでくれない、ということもある気がする(別に言い訳してるワケじゃなく)。
熱心な先生に当たればラッキー、という感じで、多くの先生は先生ではなく研究者。
そういう意味でこちらの大学/大学院は方法論や学問の仕方、という一見前提のようだけど
トレーニングが必要な部分をしっかり指導してくれるので、そこは優れている点だと思う。


あぁ眠い。。明日の朝は授業なので今日はここまで。
また学問については今度ブツブツ書こうと思います。

2010/01/06

休みボケ

数週間学校のことはあまり考えずに過ごしてきたので
今週はまだかなり休みボケしている。

しかし今日はQualitative Method初回の授業で早速
次回までに読んでおくように、と100ページほどの課題読書が出された。
いっちょ頑張ろう。今学期はどうやら先学期よりも読む量が増えそうです・・・

冬休みにも英語の本はずっと読んでいたので、読書スピードは上がった気がする。
ただ、やはり本を読むのと論文を読むのでは必要なエネルギーが違いますね。。

2010/01/04

今学期の授業

Seminar on Ecological Economics (PLAN596)

再びRees教授の授業。先学期よりも経済学に主眼を置いた授業。
セミナー形式なので少人数制でプレゼンあり。

Legal Context of Planning (PLAN 506) 必修

カナダで働く気はあまりないので最初は免除してもらおうかと思ってた
法律の授業。でもまあ法律を学べばその国の価値観が分かるし、のちのち
日本の法律に触れる機会があれば比較対象にもなるので取ることに。
あとは単純に語学の観点から英語で法律用語が分かることはプラス
かなあ、という思惑も。

Planning Research: Qualitative Method&Research Design (PLAN515) 必修

定性的研究手法とリサーチデザインのクラス。特に後者(リサーチデザイン)は
自分に足りない、というか日本で教わる機会がなかったトピックなので
そこは必要だと思う。

Urban Development Market&Financial Analysis (PLAN 561)

土地経済学のような授業だと解釈してますがまだ第一回目の授業に行っていないので
まだ正確には分かりません。不動産開発に関わるお金の動きを理解しておくのは
一応都市計画専攻を出る者として必須かと。

バンクーバー観光

昨日、三が日最終日はまたまたO君・Aちゃん含めたその他友人と共に
ダウンタウン近辺をぷらぷら散歩。今更ながらバンクーバー観光のようなことをしてきた。
キャンパスがダウンタウンから少し離れていて、雨も多いのでついつい出無精になってしまう。よって実はあまり見てない所も多い気がする。






Granville Islandのマーケットは色とりどりの野菜や果物が溢れていてずっと見てても楽しい。

2010/01/03

新年初滑り

大学からウィスラー直通のバスが出ているので、今日は5時起きで
日帰りウィスラーに行って来た。今年初滑り。同行したのは最近
何かとよく遊んでいるビジネススクールのスイス人O君とベルギー人Aちゃん。
二人とも僕と同じくシーズンパスを購入しているので、今学期は毎週末行こう、
と言っている。

しばらく付き合って分かってきたが、O君は30万のLeicaの銀鉛カメラを持ち、
バックカントリーのギアもかなり高価な物を揃え、なんでも"This is the best~"
という前置きがあるので、ハイエンドな物ばかり買っているんだろう。
食器も調理器具も寮に備え付けのものがあるのにそれでは物足りないらしく、
ほとんど自前で全部揃えている。もうちょっと学生らしくチープに済ますとこは
チープに済ます術を覚えてもいいんじゃないの?とたまに言いたくなるが、
完璧主義者なんだろうなあ。
スイスのエリート校出身で、相当自分の国にプライドを持っているので、毎度
愛国心丸出しというか、常にスイスの話をしている。スイスの素晴らしい技術に
ついてのレクチャーを何度聞いたことか。

それを冷ややかに見ているのがベルギーのAちゃんで、「これだから私はスイスに
住みたくないのよ。確かに綺麗な国だけど物価が高いしスイスプライドが激しい
から排他的な国民なのよ。」とぼやく。
AちゃんはAちゃんで、僕の中での「フランス語圏の女性は気が強くて文句が
多い」という法則の例外ではなく、むしろ綺麗に当てはまってくれる(笑)
日本の痴漢の話をしている時も「私なら思いっ切りビンタして終わりだね」と
きっぱり。うーん、確かに日本の女性がみんなキミみたいだったらあまり問題に
ならないのかもしれないね、と言っておいた。

O君が何か言うと、Aちゃんがそれを一蹴するようなコメントで反撃。
この二人のやりとりに挟まれながらリフトに揺られて話を聞いているとコント
のようで面白い。でも大分ヨーロッパ内の政治事情やお互いの国をどう見て
いるのか、というダイナミックスが分かってきた気がする。

まあそんな前置きはよいとして、肝心なスキー。
昨日と一昨日で合計40cm近く新雪が降っていたので、まあ大方すでに
食われているだろうとは思いながらも少し期待を抱きながら到着。
大体毎年元旦の日はパーティーの2日酔いでスキー場は空いてるらしいが
さすがに2日になると酒も抜けてみなさんスキーやる気満々。ってわけで
リフトも常に15~20分待ちくらい。北海道では並ぶことがほとんどなかった
ので実際リフトの列に並ぶのってかなり久しぶり。

今日は風がなかったので、Blackcombのてっぺん、氷河の部分がオープンしていた。
そこからハイクして裏側に回ると、Spanky's Ladderというダブルブラック(最難関)
のコースがある。ここは斜度が50度近くあるので、積雪の後はパトロールが雪崩
チェックを済ますまで滑走禁止。なので、毎朝パウダー狂達がコースが開くのを
待って列を作っている。今日も長い列が出来ていたので、僕達も便乗することに。
実はここを滑るのは今回が初めて。
赤く囲んだ部分の崖の裏。

入口にはExperts Onlyの看板。確かに到る所に30~40m級の崖があり、落ちたら
最悪死ぬだろうなあ、という場所がある。絶対初心者は来ちゃダメなのは確かだけど
崖の前には必ずロープと標識があるし、視界が良くてアイスバーンじゃなければ
転んでも危なくないので、ある程度スキーをコントロールできれば最難関といえど
言うほど激しくはない。てかそもそも視界が良くてパウダー、というコンディション
じゃないと危なすぎて開けないんだろう。

ここは数日間風が強くて誰も滑れなかったお陰でノートラックパウダーの宝庫。
久々に滑りながら叫ばずにはいられないほどの浮遊感と、これぞパウダー!!
という感覚を味わった。周りのスキーヤー、ボーダーもみんな絶叫しながら
滑ってた。幸せ。

今日は、休み中ポートランドで買ったヘルメットを初めて被ってみた。
やはりこれがあった方が安心感がある。こちらの人は8~9割の人がボーダー、
スキーヤー限らずヘルメットを被っている。これは日本と大きな違いだと思う。
こっちの人の方が割と平気で危険なことをするので、それを分かって着けて
いるのか知らないが、とにかくほとんどの人が被っている。
ニセコへ行くとヘルメットをつけたオーストラリア人とヘルメットなしの日本人、
という感じで綺麗に分かれているのを見ることができる。

自分も最近まで買わなかったので他人の事はあまり言えた立場ではないけど、
日本でももっとヘルメット着用を普及させた方がいいと思う。なんかあった時に少なく
とも頭だけは守っておきたいところ。
特にボーダーは逆エッジだのでぶっ飛ぶことが多いし、体勢的にスキーよりも
頭を打つ危険性が高い。見かけは確かにお洒落な帽子の方が格好いいかもしれない
けど、最近はお洒落なヘルメットだって多いし、いくらお洒落でも怪我したら終わり
(特に頭)ですからね~。日本は見た目を気にしすぎるところがかなりあるんだろうな。
(逆に北米だと「もう少し気にしろよ」と言いたくなることが多々ある)


夜はO君がカナダの税関を潜りぬけて持ち帰った8kgに及ぶチーズを使い
チーズフォンデュディナーを開催してくれた。12人でワインとフォンデュと
デザートのアップルピューレ&チョコ、というスイス尽くしの晩ご飯を頂いた。
12人のうちなんと2人もプロアスリートがいた。1人はスキージャンプで
カナダ代表としてトリノ五輪にも出た人。もう1人はバレーボールカナダ代表。
凄い人達がいるもんだ。

生憎チーズは僕のお腹的に少し良くないので控え目に頂いたが、とても
美味しいチーズのは確かだった。ここでもO君はエーデルワイスの柄が入った
シャツに、自分の誕生日と名前が入ったカウベルを持って登場。あとは
ヨーデルでも歌ってくれればこの人はスイス観光マスコットか、と思ってしまう
ほどのオールスイスだ。


明日が終われば月曜日からは早くも新学期が始まる。僕は火曜日から
授業なので、まだ2日、休み気分を満喫しよう。

2010/01/01

謹賀新年



明けましておめでとうございますm(_ _)m
やっと?もう?干支二周目突入で年男です。今年は阪神イヤーですね。

朝はお餅を食べようと思っていたのにすっかり元旦だという
ことを忘れてシリアルを食べはじめてしまい、非常にウェスタンな
お正月を迎えてしまいました。

昨夜は17時半くらいまでノープランだったのですが、同じフロアの
スイス人O君とばったり廊下で会い、お互い夜の予定を決めかねている
ことを知り、共同ディナーを開催することに決定。
すぐに買い出しに向かったものの、家の目の前のスーパーがなんと
普段よりも大幅に早い6時閉店ということで、既にドアを閉めはじめて
いた。行く手を阻むセキュリティーマンを半ば強引に振りきり、
どうにか店内に侵入成功。何を作るかも決めてなかったので、二人とも
大慌てで適当に目に入ったものをカゴに放り込んでいった。

結局O君が冬休みの実家帰省から持って帰ってきた8kgに及ぶチーズ
(200ユーロも使ったらしい・・・相変わらずグルメだ。)と、3本のワイン
の貢献もあり、フルコースを作ることができた。

・ワイン(フランス産赤、チリ産白、カナダ産白)
・チーズ二種類
・パン
・サラダ
・スモークサーモン(玉ネギとケッパー)
・サーロインステーキと芽キャベツ

+参加してくれた中国人が作ってくれた野菜炒め&卵料理も加え、
中洋折中の食事だった。

食卓を囲んだのは日本人1人、ベルギー人1人、スイス人1人、カナダ人1人、
中国系アメリカ人1人、中国人2人の合計7人。ギリギリで決めたのにこれだけ
集まった。大晦日だというのにみんな意外とノープランだったのね。
最後の晩餐もなかなか国際的。

その後ベルギー人の子の家に行き少しグダグダした後、寮に戻りテレビを
見ながらNYタイムズスクエアのカウントダウンを見た。テレビをつける
直前になって、「あ、そういえばNYはもう3時間前に12時迎えちゃったよね」
と気付いたが、それでも米系TV局各社は西海岸時間に合わせて録画映像をさも中継
のように流していた。録画だと思うと興ざめするので、酒を飲んで「これは中継だ」と
自分に言い聞かせながらながら見た。
もう2000年から10年も経ったのかあ、とか言いながらしみじみ迎えた新年でした。

新年を迎えたことだし、伸びてきっていた髪を切ろう!と深夜2時くらいに
酔っ払いながら1人で空きバサミでバサバサ散髪した。今朝起きてみたら
もの凄いモヒカンカットになってて焦った。

そんな2010年スタートです。

今年の抱負は

1.健康

身体がダメだとお話にならないのでまずはこれ。
Pollanの指南に従い、Eat food. Not too much. Mostly plants.を
実践しようと思います。雨が多くて出無精になるけど、できるだけ運動も。
最近明らかに太股が細くなった気がする。。

2.人との出会いを大切に


新しい友人を作り、古い友人とは常にkeep in touch。
ま、これは毎年のことです。

3.コアバリューを見つける

これは卒業後の就職なども考えてのことで、やりたいこと、情熱を
持てることを早く見つける。Steve Jobsの言うように"Keep looking, don't settle"


というわけで2010年もどうぞよろしくお願いします!