2010/01/26

サステイナビリティ②

枯渇性資源である化石燃料などはサステイナビリティをどう計るべきか。
(石油も厳密に言えば"再生可能"だけど、ここはタイムフレームの問題)

前回の再生可能資源の「収奪スピードが再生産スピードを上回らない」という
ルールと似ていて、「枯渇性資源を使った分だけ同様の機能を果たす再生可能資源に
投資せよ」ということになる。

これは主にエネルギーの文脈で使われ、発電の為に石油を使ったら、同じだけの
発電能力を持った太陽光パネルなり風力発電なりの施設を作ることに投資する。
要するに会社であれば、枯渇性資源から得た利益の一部をR&Dに回して再生可能
エネルギーに投資せよ、ということで、まさに多くの会社がやっていること。
ただ、明らかに今は再生可能エネルギーに対する投資額が足りていないのが現実なんだろう。
会社のサステイナビリティを考えても、枯渇性資源に依存するのは危険なはずだけど・・・

先の米国選挙キャンペーンで大きく期待されていたオバマ政権のグリーンニューディールは
政府がここにテコ入れする、ということだったけどあまりそれ以来大きなニュースは聞かない。
その前に皆保険制度の話や失業率などの目の前の話で精一杯なんでしょう。


エコロジカル経済学という分野の草分け的存在である元世銀エコノミスト、
メリーランド大教授のHerman Dalyは、上記のルールを社会全体が負担する制度
としてNatural Capital Depletion (NCD) Tax(自然資本減耗税?)という税金システム
を提唱している。エネルギー会社が独自にR&Dをするのもありだけど、エネルギーの消費者
である社会の構成員一人一人から税金を徴収して再生可能エネルギーに投資する仕組み。

といより自然資本、というからにはエネルギーに限らず、なんでも自然由来の資源は
使った分だけ戻す、その費用を徴収する、というアイディアだろう。
例えば材木に利用した分だけ植林の費用がいるので、それを税金として課す。

本来社会が払うべき費用を内部化する、という意味でそれぞれの商品の値段を
公正な値段に引きあげるのとアイディアの構造的には一緒だと思う。


エコロジカル経済学の授業より
(Seminar on Ecological Economics)

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