2010/02/02

COP15中期目標

先のCOP15(コペンハーゲン)を受けて各国がCO2削減中期目標を提出し終わった。
カナダはアメリカと歩調を合わせて2020年までに2005年比17%減と、超情けない。
リベラルなバンクーバーでは保守党のハーパー(現首相)は環境問題にかなり無関心だと
散々叩かれていますが、また袋叩きにされることでしょう。

ちなみに日本は2020年までに90年比25%減、EUは90年比30-40%減を表明したようだ。
面白いのが、カナダでもケベック州だけEUと同じ目標を採択したらしい。
ケベックってやっぱ不思議な存在です。

各国の削減目標はこちら:http://unfccc.int/home/items/5264.php

9 件のコメント:

山P さんのコメント...

YUはよくCO2削減に注目しているけど、はたして削減することにはたして本当に意味があるのかな。

温暖化は世界各地で起きているけど、気温は変化していない地域もあるし、温暖化した地域でもその原因はCO2以外にあったりするし、報道されている内容にも誤った情報が多く流れていたりするみたいだし。。。

環境問題に関してCO2の効果の科学的証拠にはグレー名部分が多く、削減に力を入れる(お金をかける)ことには疑問を感じています。

こういう主張をする人もいるしね。
http://www.youtube.com/watch?v=P2w33s0Ke9Y&feature=player_embedded
YUならこういう主張も知ってるかもね。

あと最近は武田邦彦の「儀善エネルギー」を読んだりしてみた。

CO2削減よりも新エネルギーの開発(脱石油)などに力を入れた方がいいと感じてます。(石油に関しても30年どころじゃなく数十年から100年は枯渇しないと思うけどね)


とにかく様々な情報が流れている中で正しい情報を収集していくことが必要なのだと思っています。

elhi_k さんのコメント...

なんでロシアだけ、ロシア語・・・
暗号化のつもり??
他が非英語圏でも全部英語しかないのも気持ち悪いけど。

CO2削減すれば温暖化が緩和される(温暖化すら疑問視する気象学者も少なくないだろうし)かは定かじゃないが、地球規模で環境を守ってくためには、transnational以上にinternationalな協力が必要だし、政府はその義務があるよね。

yk さんのコメント...

>山P

コメントありがとう!

>YUはよくCO2削減に注目している
>けど、はたして削減することに
>はたして本当に意味があるのかな。

難しい問題だよね。
はたして本当に意味があるのかって
のは正直誰も分からないことだと
思う。ただ、分からないから行動
しないっていうのは予防原則から
すると賢くない選択だと思う。

>温暖化は世界各地で起きている
>けど、気温は変化していない地域も
>あるし、温暖化した地域でもその
>原因はCO2以外にあったりするし、
>報道されている内容にも誤った
>情報が多く流れていたりする
>みたいだし。。。

以前書いたけど温暖化っていう言葉
はそういう意味で現実を正確に捉え
きれてないと思うから、僕は気候変動
っていう言い方を意識的に
使ってるよ。
もちろん高緯度の方が気温上昇が
顕著に現れるし、寒冷化する所だって
逆にあるし、それをひっくるめて
不確実性が増す、っていう捉え方を
した方がいい気がします。

>環境問題に関してCO2の効果の科学的
>証拠にはグレー名部分が多く、削減
>に力を入れる(お金をかける)こと
>には疑問を感じています。

これは授業でもよく話すんだけど、
正直物理学者とか気候モデラーでも
なければ一般市民は科学者が主張することを信じるしかないよね。
その科学者の大半がCO2には温室効果
があるって言っていることは事実
なので、僕は一応マジョリティを
信じる立場にいるよ。

>こういう主張をする人もいるしね。
>http://www.youtube.com
>/watch?v=P2w33s0Ke9Y&
>feature=player_embedded

A氏の映画はまあ色々議論があるとこ
だよね。実際間違ったデータもある
んでしょう。ただ、確実に世界の
意識を変えるきっかけにはなったと
いう点で評価されるべきだとは
思う!

>CO2削減よりも新エネルギーの開発
>(脱石油)などに力を入れた方が
>いいと感じてます。(石油に関して
>も30年どころじゃなく数十年から
>100年は枯渇しないと思うけどね)

新エネルギーの開発をするべき、と
いうのは完全に共感するよ!

いつ枯渇するかに議論の余地はある
としても普通に考えて石油は掘れば
無限に出てくる物じゃないからいつか
の時点で代わりが必要になるもんね。

ただ、CO2削減より、ではなくCO2削減
と共に出来ることじゃないかと思う。
化石燃料が安価で手には入る以上は
そういった代替エネルギーに投資する
インセンティブが沸かないから、
炭素税などでCO2削減を図り、回収
した税金を代替エネルギー開発に
回せばCO2削減→新エネルギー開発
っていうトランジションを徐々に
できると思うんだけどどうでしょう?

代替エネルギーの議論が少し明るいと
思うのは、気候変動を信じるか信じ
ないかに関わらず、国家の安全保障
っていう切り口から言っても(中東に
依存してていいのか?)必要なことで
ある点だと思うんだよね。事実オバマ
は主に安全保障っていう切り口で
押すことによって保守の温暖化
懐疑派も説得しようとしてたんだと
思うし。ただ、ペイリンは代替
エネルギーではなくアラスカの石油
を掘れ掘れ言ってたけど・・・

>とにかく様々な情報が流れている
>中で正しい情報を収集していくこと
>が必要なのだと思っています。

ごもっとも!
うちの教授が言ってた言葉が印象的。

"Some models are more previleged
than others. They are privileged
because they are truer, not truer
because they are privileged"
(モデルの中でも優れた物とそうで
ないものがある。優れているもの[権威のあるもの]は、より真実に近いから
優れている[権威がある]のであり、
権威があるから真実に近いのではない)

yk さんのコメント...

>依利氏

ホントだ・・何考えてるんだろう(笑)
カナダはやはり英仏で表記してあるね。

CO2削減すれば元に戻りました、っていうほど地球は単純じゃないだろうね。
ただ、逆も真で、CO2がXppm増えたから
X度気温が上昇する、っていう単純な
y=axみたいな関係でないだろうから、
ある時いきなり域値を超えて急激な
変化が起こるかもしれないっていうの
が一番恐れられてることだと思う。

そして気候変動以外にもたくさん
取り組むべき環境問題はあるよね!
うちの教授曰く「気候変動は人間と
生態系のバランスの崩れた関係が
引きおこす症状の一種に過ぎない」
っていう言い方をしてて、そうだな、と思ったよ。

そして依利が言うように政府含めて
ガバナンスに関わる機関や団体が
国民国家を超えて協力することは
不可欠だと思います。
COPなんか見てると、口で言うのは
簡単だけど本当に大変なことだな、と
思うけどね。ほんと国益のぶつかり
合いだよね。

山P さんのコメント...

>ただ、分からないから行動
>しないっていうのは予防原則から
>すると賢くない選択だと思う。
確かにそうだけどCO2削減を目標に掲げることは最善の対策ではないと思うんだよね・・・後述(代替エネルギーあたりで)


>その科学者の大半がCO2には温室効果
>があるって言っていることは事実
>なので、僕は一応マジョリティを
>信じる立場にいるよ。
科学者の大半がCO2の温室効果があるって
言う背景には利権や研究費の取得しやすさ
があると思うんだよね。
もちろん温室効果はあると思うんだけど
対策を講じるべきかはまた別の問題だよね。
効果の程度とかがはっきりしないのに巨額の
資金を投入するのはあまりにも適当なやり方
だよね。
なぜ必要かどうかもわからないCO2対策を
とるのかと考えると、


>確実に世界の
>意識を変えるきっかけにはなったと
>いう点で評価されるべきだとは
>思う!
この映画は「CO2犯人説」を強烈に
印象付ける映画だったと思う。
よくわかっていないことを100%正しいかの
ように伝えているという点とか含めて
全体として評価されるべき映画じゃない
と思うんだよね。
ただ、確かに意識を変えるきっかけに
なったとは思うよ。

>ただ、CO2削減より、ではなくCO2削減
>と共に出来ることじゃないかと思う。
これは俺もそういう意味を含めて
新エネルギー開発が今最適な対策だと思ってるよ。


>炭素税などでCO2削減を図り、回収
>した税金を代替エネルギー開発に
>回せばCO2削減→新エネルギー開発
>っていうトランジションを徐々に
>できる
CO2削減目標を掲げて行動に移すと
CO2回収なんてことも始まるんだよね。
大気中のCO2量の変化が与える影響が
はっきりしてないのに、そこに力を入れる
(お金・エネルギーを投資)するのは最善ではないよね。
だから脱炭素社会(使用する炭素量が減れば排出されるCO2も減る)を目指して、電力では原子力を普及させたり、代替エネルギー
を開発するのが最適だと思う。
これによって同時に(副産的に)CO2も削減できるっていう考え方を押していきたい。

まあ細かい話をすればきりがないよねw

結局おれが思うのは気候変動とかの対策
を考える(環境負荷を軽減する)には
CO2排出を下げる目標を掲げるっていうのは
方向として間違っていて、それよりも炭素の使用量を減らす方向へ向かうのが今すべきことなんだと思うんだけどどう?

yk さんのコメント...

>山P

早速コメントありがとう!
こういうことは誰も正解を知ってる
訳じゃないので一番大切なのは議論
を通じてああでもないこうでもない
って考えることだと思う。

>科学者の大半がCO2の温室効果が
>あるって言う背景には利権や研究費
>の取得しやすさがあると思うん
>だよね。

それは多少影響してるかもね。
でも現在産業で既得権益を握ってる
人達の中でCO2削減が好ましいと思ってる人ってどちらかというと少数な気がするけど。逆にピークオイルのデータ
を色々いじらせてるってのは聞く
けどね。

>これは俺もそういう意味を含めて
>新エネルギー開発が今最適な対策
>だと思ってるよ。
>CO2削減目標を掲げて行動に移すと
>CO2回収なんてことも始まるん
>だよね。
>大気中のCO2量の変化が与える影響
>がはっきりしてないのに、そこに
>力を入れる(お金・エネルギーを
>投資)するのは最善ではないよね。
>だから脱炭素社会(使用する炭素量
>が減れば排出されるCO2も減る)を
>目指して、電力では原子力を普及
>させたり、代替エネルギー
>を開発するのが最適だと思う。
>これによって同時に(副産的に)
>CO2も削減できるっていう考え方を
>押していきたい。

そういう意味なら大方賛成だな。
CO2回収とかってのは俺もバカらしい
と思うよ。同じ金とエネルギーを
使うなら長期的に便益があることの
方がいいよね。地中に埋めるだの
宇宙に逃すだのってのは・・・あまりにその場凌ぎって感じがする。

話は少しずれるけど、現在の米国の
エネルギー省長官(ノーベル物理学賞
受賞者)は世界の家の屋根を全て白に
塗れば太陽光から吸収する熱量が
大幅に減るってマジメに言ってた。

>結局おれが思うのは気候変動とか
>の対策を考える(環境負荷を軽減
>する)にはCO2排出を下げる目標を
>掲げるっていうのは方向として
>間違っていて、それよりも炭素の
>使用量を減らす方向へ向かうのが
>今すべきことなんだと思うんだけ
>どどう?

うーん、俺の理解不足かもしれない
んだけど、CO2排出を減らすってのと
炭素の使用量を減らすってのは
この文脈ではほぼ同義じゃないの?
脱炭素社会って要するに二酸化炭素
をあまり出さない社会っていう風に
使われる気がするけど。

山Pが強調するエネルギー開発の
必要性っていうのは枯渇性資源で
ある化石燃料を補わなければいけない
のは確かだから、それを優先して、
結果二酸化炭素も減れば余計なコスト
をかけず済む、っていう意味?


環境問題って全て究極的には人間の
経済活動が相対的にでかくなりすぎ
てることに帰因してると思う。
ってことで気候変動と二酸化炭素の
話も富栄養化と窒素の話も、人間が
世界の物質循環に介入してバランスを
崩してるって意味で構造的には
同じだと思う。
そういう意味で過去ログ(http://sustaindevelop.blogspot.com/2009/09/hijacked-by-climate-change.html)にも書いたけど、気候変動の話題があまりにでかく
なりすぎて、他にもたくさんある
目に見える深刻な問題に注目が
いかなくなってるのもまた別の問題
としてあるとは思う。

個人的には環境問題にそもそも関心
を持ったのが鳥がきっかけだったので
生物多様性減少の問題を気にかけてる
けどね。これは目に見えて昔より
棲息地が減ったとか産卵場所が
なくなったとか分かるからね。



まあかなりそもそもの話になるん
だけど、この記事を書いたのは、
カナダがいつもアメリカと違うことを
強調する割にまたもアメリカの
51番目の州かのような振る舞いを
するのでしっかりせんかい!と
思ったからなんだけどね(笑)

yk さんのコメント...

>山P

今読んでるトーマスフリードマンの
「グリーン革命」
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD-%E4%B8%8A-%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/4532314410は今話してるような
エネルギーの議論がうまくまとまって
るのでオススメだよ。アメリカ万歳的
な調子が頂けない時もあるけどそこは
目をつむり、多く引用されてる
科学者・有識者・産業界の人達の
意見は面白いと思う。

彼は二酸化炭素は気候変動の主要因
だと認めつつ、エネルギー開発を
することにより他にも色々便益が
あることを書いてます。

山P さんのコメント...

>話は少しずれるけど、現在の米国の
>エネルギー省長官(ノーベル物理学賞
>受賞者)は世界の家の屋根を全て白に
>塗れば太陽光から吸収する熱量が
>大幅に減るってマジメに言ってた。

温暖化を防ぐ方法としてはアリな気がする
けど気候変動の根本が解決するとは思えないよねw

>うーん、俺の理解不足かもしれない
>んだけど、CO2排出を減らすってのと
>炭素の使用量を減らすってのは
>この文脈ではほぼ同義じゃないの?
>脱炭素社会って要するに二酸化炭素
>をあまり出さない社会っていう風に
>使われる気がするけど。

基礎知識不足でしたw
「脱炭素社会」=炭素使用量を減らすことだと思ってたw
言いたかったのは
1つの工場に例えると工場で使用する(工場に入ってくる)石油
の使用量を別の方法(炭素を使わないエネルギー)
を使うことによって減らせば、当然排出されるCO2の量も減るよね。そういうアプローチをしていくことがコスト面からも最適だと思うってこと。
結局はYUが書いた通りのことです↓
>山Pが強調するエネルギー開発の
>必要性っていうのは枯渇性資源で
>ある化石燃料を補わなければいけない
>のは確かだから、それを優先して、
>結果二酸化炭素も減れば余計なコスト
>をかけず済む、っていう意味?



>環境問題って全て究極的には人間の
>経済活動が相対的にでかくなりすぎ
>てることに帰因してると思う。
>ってことで気候変動と二酸化炭素の
>話も富栄養化と窒素の話も、人間が
>世界の物質循環に介入してバランスを
>崩してるって意味で構造的には
>同じだと思う。

確かにそうだよね。だけど経済活動を縮小
させるのは不可能だからいろいろな対策を
講じていくことが必要だし、今もいろいろと
考えられていると思う。

>そういう意味で過去ログ
>(http://sustaindevelop.blogspot.com/2009/09/hijacked-by-climate-change.html)にも書いたけど、気候変動
>の話題があまりにでかく
>なりすぎて、他にもたくさんある
>目に見える深刻な問題に注目が
>いかなくなってるのもまた別の問題
>としてあるとは思う。

これには同感だね。
だからCO2削減目標を出したりするのは
それを助長してる面もある気がして
気に入らないんだよね。。。

>まあかなりそもそもの話になるん
>だけど、この記事を書いたのは、
>カナダがいつもアメリカと違うことを
>強調する割にまたもアメリカの
>51番目の州かのような振る舞いを
>するのでしっかりせんかい!と
>思ったからなんだけどね(笑)

なんか変なところに注目してごめんねw

「グリーン革命」
は早速買ってみた!

yk さんのコメント...

多分山Pが"CO2を減らす"っていうことを目標にすると無駄な金を使うことになるかもしれないっていうのは
geo-engineeringって言われる分野で
言われてるようなことじゃないかな。
(以下参照)
http://www.originalest.com/news.php?id=00075

こうやって厳密に考えれば俺も
とにかくCO2を減らそう、っていう
のは反対。二酸化炭素が原因の一部
だとは信じてるけど、手段は賢く
選ぶべきだと思います。

>確かにそうだよね。だけど経済活動
>を縮小させるのは不可能だから
>いろいろな対策を講じていくこと
>が必要だし、今もいろいろと
>考えられていると思う。

実は今習ってるエコロジカル経済学
では経済活動の縮小は不可能っていう
のは「神話」だっていうことに
なってるんだよね(笑)
確かに限りある地球で永遠に成長する
ことは直観的にも無理。
だから、最近活発に議論されてる
ことでもあるけど、物質的成長が
幸せに繋がるっていうのは考え直す
時期に来てると思う。少なくとも
十分満たされてる先進国では。
贅沢品を追求したらキリがない
からね。

development=開発=質的向上
growth=成長=量的向上

っていう区別を意識するように
してるよ。

>なんか変なところに注目して
>ごめんねw

いえいえ!有意義な議論だよ。
これからもどんどん突っ込んで。
ブログやってる理由だから。

>「グリーン革命」は早速買って
>みた!

おお!日本語だと上下だよね。
英語だと500ページくらいなので
なかなかヘビー。もうちょっとで
読み終わるとこだわ。
読んだら感想聞かせてね。